前回は、アメリカ地方都市の物件が狙い目な理由を解説しました。今回は、アメリカ地方都市の物件に投資するメリットとデメリットについて見ていきます。

アメリカ地方都市に数多く存在する「お買い得物件」

前回、アメリカ地方都市、中でもメンフィスやフロリダのジャクソンビルなどの穴場不動産投資は、知る人ぞ知る革新的な不動産投資であると述べました。今回は、なぜ穴場不動産投資が革新的といえるのかを解説していきます。

 

まずは、「NY、LA、ハワイなどの大都市」と「アメリカ中小規模の都市」への投資のメリット、デメリットを下記にまとめました。

 

●NY、LA、ハワイなどの大都市

 

<メリット>

1.賃貸しやすい

2.キャピタルゲインの可能性がある

3.人口は安定型、平均的に増加

4.世界中から買い手・売り手が集まる

5.所得が高いため、高いレントが望める

 

<デメリット>

1.維持費が高い(暖房費・水道代は大家負担)

2.固定資産税が高い

3.投資額が大きい、リスクが高い

4.マイナスキャッシュフローが多い

5.毎年のROI(投資リターン率)が低い

 

●アメリカ中小規模の都市

 

<メリット>

1.物件が安い(初期投資額が低くても始められる)

2.固定資産税が安い

3.毎年のROIが高い

4.インカムゲインとキャピタルゲインの両方から収入を得られる可能性がある

5.アメリカの商業発展により平均以上に人口増加している地域が多い

6.賃貸しやすい

7.維持費が低い(暖房費・水道代は大家が支払わない州が多い)

 

<デメリット>

1.管理会社やエージェントに詳しくない

2.地理的に知らない場所が多い

 
圧倒的に中小地方都市のほうがメリットが大きいように思われます。


また、中小地方都市では次のようなメリットもあります。

 

基本的に自宅として購入する人がターゲットとなるので、買い手市場であり、お買い得物件が多くあります。NY、ハワイ、LAなど、世界中の富裕層が金に糸目をつけずにステータスシンボルとして買いに来る人気エリアでは、お買い得物件などはまずありません。

 

また、世界経済が大きく変動しても物件価格や家賃が左右されにくいという点があります。これは地方都市が、キャピタルゲイン狙いの投機的購入を行う大金持ちの不動産投資家ではなく、あくまでも何十年も住む人を対象とした市場であることが大きな要因です。

NYでは暖房費・水道代は「大家」の支払い!?

前述した「NY、LA、ハワイなどの大都市」への投資のデメリットでもあげたように、なぜアメリカの大都会への不動産投資は毎月赤字になることが多いのでしょうか。その理由の1つに、コンドミニアムの管理費(こちらでは「Maintenance Fee〈メインテナンス・フィー〉」と呼びます)があります。下記をご覧ください。

 

[図表]コンドミニアムの管理費比較

 

マンハッタンの1ベッドルームのコンドは1000sqfくらいの広さですが、その購入費用はだいたい70万ドルから130万ドルかかります。しかし、その物件を貸した場合に得られる家賃は場所にもよりますが、平均2700ドルから4300ドルくらいです。


その家賃の中から、上記の月々にかかる管理費、暖房費、水道代、修繕費、固定資産税、ローンを引いている人はその返済・・・と引いていくと、毎月収入どころか赤字になるのは目に見えていますね。またNY州では、アメリカの田舎の州とは異なり、暖房費・水道代は借り手ではなく、大家が払うことになっています。これも利回りを下げる原因となっています。

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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