特集 ワンルームマンション投資のメリットとリスク

ワンルームマンション投資のメリットとリスク

不動産投資にもいろいろな種類があります。マンション一棟を所有し貸し出す方法もあれば、マンションの一室だけを所有し貸し出す方法もあります。ここでは、ワンルームマンション投資についてのメリットやリスクについて考えます。また、失敗しないワンルームマンション投資の物件選びのポイントについても見ていきましょう。

 

■ワンルームマンション投資と一棟投資との違いは?

ワンルームマンション投資とは、ワンルームマンションの一室、あるいは数室を所有し、家賃収入を得る投資方法です。マンションを一棟購入しようとすると莫大な資金が必要ですが、ワンルームマンション投資では初期の購入費用を大幅に安くすることができます。

また、ワンルームマンション投資と一棟投資の大きな違いはとして、土地がついているかいないかということも挙げられます。一棟所有の場合は、建物と土地全体が投資の対象となります。一方ワンルームマンション投資では、部屋の面積に応じて土地の所有権も分割されます。土地も資産価値となるため融資や売却の際にメリットとなることも多いですが、災害による土地の値下がりのリスクも考えられます。土地全体を所有するか、区分所有にしてリスクを分散するか、メリット・デメリットは一長一短と考えられます。

 

■一棟投資と比較したワンルームマンション投資のメリット

まず、一棟マンションと比較して購入資金が大幅に少なくて済むことがメリットです。マンション一棟を購入する際、借入金なしで購入できる人はまずいません。たいていローンを利用しますが、多額の借入金は精神的な負担にもなりかねません。その点、ワンルームなら、借入金の額も少なくでき、場合によっては自己資金のみで購入することもできます。

また、ワンルームマンションは年金の代わりとして利用することができることもメリットです。もちろん管理費や修繕費などの経費は必要ですが、ローンの返済が終われば、入居者がいる限り安定して収入を得ることができます。給与などの所得があるうちにローンの返済をし、退職後は年金と家賃収入でゆとりをもった老後をおくることも期待できます。ワンルームマンション投資では、将来どれくらいの収入を得たいかによって、所有する部屋数を購入・売却して調整することもできます。複数の部屋を所有することは空室リスクの分散にもつながります。

 

■一棟投資と比較したワンルームマンション投資のリスク

ワンルームマンション投資で一番のリスクは空室リスクです。一棟投資であれば空室が一室発生したとしても他の部屋からの家賃収入を得られます。しかし、ワンルームの場合は一室しか所有していない場合、空室が発生すると収入もゼロになってしまいます。しかもその間にもローンの返済や管理費の支払いは続けていく必要があります。そのため、空室期間が長期になるほど経済的な負担が増していきます。

また、家賃下落のリスクもあります。一棟投資では、複数の部屋が空室になったとしても、均一の家賃で入居者を募集することができますが、ワンルームマンション投資では他の部屋のオーナーが家賃を下げれば、入居者を確保するために自分も家賃を下げざるを得なくなる可能性があります。そうなると当初想定していた利回りよりも大幅に低くなってしまうかもしれません。

 

■ワンルームマンション投資で失敗しない物件選びのポイント

マンション投資では空室リスクをいかに減らすかが大切なポイントです。ワンルームマンション投資で失敗しないためには、まず購入する物件の立地を考える必要があります。ワンルームマンションは独身者がターゲットです。通勤や通学に便利な場所にあるか、最寄り駅は人気の沿線か、快速が止まるのかなどを考えます。また、独身者は生活リズムが人によって様々ですので、24時間営業のスーパーやコンビニが近くにあるかも物件選びのポイントです。

さらに、建物の設備も重要です。ワンルームマンションの需要がある地域には、当然多くのワンルームマンションがあります。その中で、入居者に選んでもらうためには、入居者のニーズにあった設備があることも大切です。例えば、エントランスのオートロック、24時間ゴミ捨て可能なゴミ置き場、浴室換気乾燥機、ウォークインクローゼット、インターネット無料などは人気があります。それ以外にも、マンションの管理体制がしっかりとしている物件かどうかも物件選びのポイントです。管理やメンテナンスがしっかりされていないと、入居者が決まりにくくなるだけでなく、物件の資産価値も減ってしまうからです。

一棟マンションと比べると、比較的少ない予算で始めることのできるのがワンルームマンション投資です。しかし、価格の安さだけに目を奪われることがないように注意しましょう。リスクについても十分理解し、無理のない現実的な収支計画を立てることが大切です。

 

ワンルームマンションの「今後の需要」の見通しは?
宮園 泰人
ワンルームマンションの需要は今後ますます高まる!?資産運用型マンションの最大のリスクは「入居者がいない」ことです。需要がなければ、投資は成り立ちませんが、今後の需要はどうでしょうか。 資産運用型マンションは、ほとんどがワンルームマンションですが、その需要は今後ますます高まると予測されています。その証拠に不動産大手がワンルームマンションの建設に力を入れています。需要増の理由は「都心への人口流入」報道によると、三菱地所グループは2015年度からマ…
頭金10万円から可能!? ワンルームマンション投資の進め方
宮園 泰人
生命保険代わり、節税…ローンで得られる副次的効果まとまった資金がなくても資産運用型マンションを手に入れることができる仕組みとは、どういうものでしょうか。 下記図表は、資産運用型マンションをローンで購入し、家賃収入を得る仕組みです。投資家は、銀行などからローンを借りて、その資金で資産運用型マンションを購入します。相続対策としてキャッシュを利用することもありますが、自己資金が少ない場合、生命保険の効果を得たい場合、所得税の節税をしたい場合な…
入居需要拡大の追い風が吹く「都心のワンルームマンション」
仲宗根 和徳
配偶者との死別、若年層の晩婚化により単独世帯が増加平成26年3月に東京都が発表した「都内世帯数の長期予測」によりますと、東京都の世帯数は平成47年代にピークを迎える見通しです(図表1参照)。 [図表1] 東京都は、人口の頭打ちが平成32年と予測していますが、その後も世帯の細分化が進み単独世帯は増えると予想しています。配偶者との死別による一人暮らしと、結婚に踏み切らない若年層でも晩婚化が進み、都内の単独世帯は平成32年に全体の47.2%になり、東京都の…
都心ワンルームマンションの入居需要が増加している理由
仲宗根 和徳
人口減少が続く地方は、アパート入居者数も減少前回の続きです。 一方で、アパートの収益を下支えする賃貸需要が増えているかというと、決して増えているわけではありません。ものづくりの機能が海外に移転した現代では、地方の工場も減少傾向です。それにより民間消費や民間設備投資も減少、当然人口も減っているので公的支出も減少、これら負のスパイラルにより企業業績も悪化し民間賃金も減少、倒産や失業が増え新規雇用も大幅に減るため、利便性や娯楽・仕事を求めて都…
相続税対策としての「ワンルームマンション投資」の優位性
仲宗根 和徳
建築当初の節税効果はアパートが一番だが…図表は、建物の評価が約4000万円で、1億円を金利2%・30年返済で借り入れしアパートを建築した場合のイメージ図です。 [図表] 返済が進んでいくと、借入残高は減少しますが、建物評価は借入残高ほど大きくは下がりません。しかし、借入残高は減り家賃収入は蓄積されていきますので、節税効果どころかプラスに転じる可能性も十分にあり得ます。 このように超低金利下にあっては、概ね15~20年間で債務超過は解消されてしまうの…
都心のワンルームマンションは「中古・築浅物件」が狙い目な理由
仲宗根 和徳
「都心6区」なら物件の資産価値が高く保てる本連載で述べてきたように、東京23区でワンルームマンションの建築が規制されていることが、逆に都心のワンルームマンションの希少性を高めているということです。その中であえて私が、「中古」「築浅」ワンルームマンションにこだわっているのも理由があります。 ここでいう築浅ワンルームマンションとは、1995年以降、バブル終焉後に作られたワンルームマンションのことです。中でも、ワンルームマンション規制ができる前の200…
今後「23区内のワンルームマンション」の価値が高まる理由
仲宗根 和徳
供給が制限され、既存の物件は資産価値が上昇単身者が増えており、賃貸ニーズが高い都心のワンルームマンションは、東京都内で建築ラッシュになっているかというと、そういうわけではありません。 なぜなら、ワンルームマンションの建築は、23区全域で条例もしくは指導要綱で規制を受けているため、新しくワンルームマンションを建築する際の建築条件が厳しく、供給が制限されているからです。これを通称「ワンルームマンション規制」と言い、建築しようと思えばいくらでも…
なぜ都心のワンルームマンション需要が拡大しているのか?
仲宗根 和徳
配偶者との死別、晩婚化…増え続ける都内の単独世帯マンション経営の一番の天敵は、「空室」です。私たちが都心の築浅中古ワンルームマンションを勧めている理由は、空室リスクが他のエリアに比べて極めて少ないからになります。結局のところ、家賃収入が入らなければ、マンション経営は、老後の年金対策になりません。入居ニーズがあるかないかが、不動産投資において一番の肝になります。 2014年3月に東京都が発表した「都内世帯数の長期予測」によりますと、世帯数は203…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧