前回は、知り合いから「サ高住」への入居を勧められたエピソードを取り上げました。今回は、広い一軒家から「サ高住」へ入居を決めた事例を紹介します。

明るい部屋、見守ってくれるスタッフ・・・

前回の続きです。

 

<入居の決め手>

「見学した部屋は2階の角部屋でした。とにかく明るいんです。気になるのは狭さでしたが、当時住んでいた一軒家が200㎡以上もあり、持て余していたのでこれくらいでもいいかな、とも思いました。

 

それにサ高住なら毎日スタッフが見守ってくれます。説明を聞くと、だからといって高齢者扱いにはせずに、好きなときに好きな場所へ行ってもいいので、いわゆる一般的な高齢者施設とは思わないでほしいとのことでした。

 

ただの風邪であんなに苦しい思いをしたので、さらに重い病気をしたらどうなるのだろうと心配。しかし、ほぼ毎日通っているスポーツジムは辞めたくないし、毎月楽しみにしている友人との銀座での食事も諦められない。そのうえで、こうしたほどよい距離感のあるサービスは魅力でした。

 

残る問題は、自宅にある大量の荷物の整理をどうするかです。そのことをリビングアテンダーの方に相談すると、『プロに頼めばいいんですよ』と即答でした。

 

私はそんな専門家がいることは知りませんでした。ならば問題はないと住み替えを決めました」

交通の便もよく、百貨店での買い物も楽しみに

<入居後の感想>

「私は今回が生まれてはじめての集合住宅暮らしでした。だから入居を決めてからだんだんと入居者同士のトラブルが不安になってきました。学校のようないじめがあるのではないかと思ったんです。

 

でも、その心配はサークル活動をすることでなくなりました。すぐにお友だちができたんです。なかには、めったに部屋から出てこない人もいますが、それも自由。だからといって陰口を言う人はいません。

 

グランドマストのお友だちとは定期的にお食事へ行きます。だいたいフランス料理かお寿司ですね。地元のお友だちとも毎月行っているので楽しみが2倍に増えました。

 

食事のときは帰りが夜中になることもあります。こういう高齢者が住む集合住宅は、夜中に帰って来てはいけないと思っていましたが、全然そういうことはありませんでした。まったく一戸建てに住んでいたときと同じ感覚です。

 

それに夜中にお風呂へ入ると、下の階から苦情が来ると思っていたのですが、こちらも問題ないようです。洗濯機を回してもOK。私も上の階の人が何をやっているかぜんぜん分かりません。

 

前の家は自分で考えて建てた注文住宅だったので、最高と思っていましたが、こちらもいいですね。特に気に入っているのが交通の便です。池袋まで電車ですぐなんです。百貨店で買い物をして、品物は宅配便で送ってもらっています。

 

あと、毎日近くにスタッフの方がいるのでやはり安心感があります。去年(2015年)の年末にまた風邪をひいて2週間外へ出られなかったのですが、毎日スタッフの方が食事を持って来てくれました。そのときはここへ来て本当によかったとしみじみ思いました。

 

心配事がなくなったおかげか、引っ越す前より健康になっているようです。今は毎日足に2㎏のおもりをつけて生活し、神奈川のスポーツクラブには週に3回は行って1時間で1.5㎞泳いでいます。引っ越す前は杖を持って歩いていましたが、今は必要ありません。腰も伸びました」

70歳からの住まい選び

70歳からの住まい選び

小山 健

幻冬舎メディアコンサルティング

最高の住み心地・豊かな人間関係・健康面の安心…生涯充実した人生を送るための高齢者向け住宅とは⁉︎ 一人で住み続けるのは不安…でも、老人ホームには入りたくない。70歳を過ぎた人の、新しい住まい探しの教科書です。

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