前回は、子どものいない夫婦が「サ高住」への入居を決めた理由を紹介しました。今回は、自宅が全焼した90歳の方の「サ高住」への入居事例を見ていきます。

急に家を失ってしまったら…、一人暮らしの高齢女性

前回に引き続き、サ高住へ入居された方々の体験談をご紹介します。

 

T氏:90歳 女性

入居前の住まい:一戸建て

入居前の家族構成:一人暮らし

 

<住み替えを検討したきっかけ>

「3年前に自宅が火事にあって全焼しました。原因は未だにまったく分かりません。親が遺してくれた築60年の古い家でしたから、何があってもおかしくなかったのですが……。当時就寝していた私は、煙を吸って気絶し、気がついたら病院のベッドでした。お医者さんからは、特に大きなけがもなかったので目が覚めれば問題ないはずです、とりあえず1週間ほど入院して様子を見ましょう、と言われました。

 

火事の記憶はほとんどありませんでしたが、なんとか命があったことにほっとしました。でも、問題はあったんです。そこは救急病院なので、命に別条がなかった私は長くはいられません。だからといって家が全焼してしまった私は帰る場所がないのです。そこで1週間後には別の病院に転院することになりました。

 

その病院には結局3カ月入院しました。その間はずっと次に住む家探しです。幸運なことに病院の相談員が親切な方で、私の話を何時間も聞いていろいろ考えてくれました。私は住むところにほとんどこだわりはありません。

 

なぜなら戦争で焼け野原を経験しているからです。戦後は両親とバラックに住んでいて、昭和28年にやっと抽選が当たって今の家に住むことができました。そのときの経験から雨風がしのげるだけで感謝しなければ、と思っているんです。

 

だから相談員の方にはアパートでも老人ホームでも入れればなんでもいいとお願いしました。ただし、できれば都内の物件がいいと伝えました。私は東京生まれの東京育ちなので、やはり都内からは離れたくなかったんです」

多少収入があっても難しい「高齢者の物件探し」

<入居の決め手>

「とはいえ、私のような老人の物件探しは大変だったようです。アパートは大家が嫌がる。(有料)老人ホームに入るにしても、あまりお金がありません。私は公務員を定年まで勤めました。だからある程度の年金収入はあります。それに焼けた家の隣に従妹が住んでいたので、土地は従妹に貸すことにしました。その家賃収入も少ないですがあります。それでも都内の(有料)老人ホームに入るには足りないとのことでした。

 

そこで相談員の方が紹介してくれたのがグランドマストです。当時90歳近かった私でも入れてくれるし、(有料)老人ホームのように最初に何千万円もいりません。なにより都会にあることがよかったんです。とりあえず予算に合うということで一番小さい1K(35㎡)の部屋を見せてもらって、すぐに決めました」

70歳からの住まい選び

70歳からの住まい選び

小山 健

幻冬舎メディアコンサルティング

最高の住み心地・豊かな人間関係・健康面の安心…生涯充実した人生を送るための高齢者向け住宅とは⁉︎ 一人で住み続けるのは不安…でも、老人ホームには入りたくない。70歳を過ぎた人の、新しい住まい探しの教科書です。

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