魚をメインメニューに切り替え、野菜も食べやすく・・・
前回の続きです。
そのほかの例として、複数の入居者の健康状態が同時によくなったことがあります。
その物件の食堂では、栄養のバランスを考え肉料理と魚料理を偏ることなく出していました。ところがどうも肉料理は残す人が多い傾向があります。
そこで魚をメインとするメニューに切り替え、野菜も食べやすくなるように工夫をしました。
するとだいたい半年くらい経ってからでしょうか。複数の入居者から健康診断の結果がよくなっているという報告が相次いだのです。なかには毎日飲む薬の量や種類が減ったという人も。
どの料理がどのように作用したのか一人ひとり調査したわけではありません。しかし、食事が健康に及ぼす影響が大きいことは誰もが知っているはずです。
シルバー世代の健康に重要な「3つの柱」とは?
ところが、独居または夫婦二人暮らしのシルバー世代の食生活は意外に乱れています。まず、自炊が面倒になり、インスタント食品や弁当類を食べることが増えます。その結果、野菜を食べなくなり、摂取する食物の種類が減っていきます。
その背景には、足腰が弱くなったり、クルマを運転しなくなるなどで買い物に行くのが大変になるということがあるそうです。また、たとえスーパーが近くにあっても重い荷物は持てない――。
その点、食堂付きのグランドマストならば、毎日バランスの取れた食事を手軽に食べることができます。
とはいえ、食堂を利用するか自炊するかは個人の自由。どちらでも構いません。重要なのは正しい規則性と栄養のバランスが取れていることです。
東京都健康長寿医療センターでは、シルバー世代の健康には次の3つの柱が重要だとしています。
食(栄養)
社会参加
身体活動
この3つをまんべんなく気にかけ、実行することで、健康寿命を延ばすことが可能になるのです。