今回は、2017年度所得税改正の内容を見ていきます。※本連載は、税理士法人恒輝・代表社員で税理士の榎本恵一氏、渡辺人事経営研究所・所長で特定社会保険労務士の渡辺峰男氏、人事戦略研究所・代表で社会保険労務士の吉田幸司氏、YMG林会計グループ・代表で税理士の林充之氏の共著、『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版』(三和書籍)の中から一部を抜粋し、働き盛りの会社員が知っておきたい「税金」の基礎知識について解説します。

年収が高い人の場合、所得税負担は増大

<給与所得控除額の改正>

 

現在、その年中の給与等の収入金額が1500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円の上限が設けられています。

 

ただし、2016年分に関する給与収入が1200万円の場合は230万円、2017年分以後の給与収入が1000万円の場合は220万円と上限額が引き下げられることとされており、上記年収額を超える人にとっては所得税の負担が増えることとなります。

 

[図表1]2016年分

 

[図表2]2017年分以降

源泉徴収税額の納付期限は、条件により延長される

<特定支出控除制度の改正>

 

2013年分以後、その年中の特定支出の額の合計額が、次に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ次に定める金額を超える場合は、給与所得の金額の計算上、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算することとされました。

 

その年中の給与等の収入金額が1500万円以下の場合

その年中の給与所得控除額の2分の1に相当する金額

 

その年中の給与等の収入金額が1500万円を超える場合

125万円

 

特定支出とは、以下の①から⑥に掲げる支出のうち一定の要件を満たすもので、給与等の支払者によって証明がされたものです。

 

[図表3]特定支出の項目と内容

(注)その支出について給与等の支払者により補填される部分があり、かつ、その補填される部分につき所得税が課されない場合における、その補填される部分は特定支出には含まれません。
(注)その支出について給与等の支払者により補填される部分があり、かつ、その補填される部分につき所得税が課されない場合における、その補填される部分は特定支出には含まれません。

 

<源泉徴収に係る所得税の納期に関する特例>

 

2012年7月1日以後、毎月の源泉徴収税額を翌月の10日に納付(原則)でなく特例を選択できる場合には、7月〜12月分の給与等に係る源泉徴収税額の納付期限が翌年1月20日に延長されました。

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版

榎本 恵一,渡辺 峰男,吉田 幸司,林 充之

三和書籍

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