今回は、消費税の「総額表示義務の特定措置」を受ける場合に注意したいポイントを見ていきます。※本連載は、税理士法人恒輝・代表社員で税理士の榎本恵一氏、渡辺人事経営研究所・所長で特定社会保険労務士の渡辺峰男氏、人事戦略研究所・代表で社会保険労務士の吉田幸司氏、YMG林会計グループ・代表で税理士の林充之氏の共著、『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版』(三和書籍)の中から一部を抜粋し、働き盛りの会社員が知っておきたい「税金」の基礎知識について解説します。

税込価格を表示しなくてもよい特例だが・・・

2013年10月1日から2017年3月31日までの間において、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置(誤認防止措置)」を講じている場合に限り、税込価格を表示(総額表示)しなくてもよいとする特例が設けられました。

 

なお、消費者の方々の利便性にも配慮する観点から、この特例の適用を受ける事業者は、できるだけ速やかに「税込価格」を表示するよう努めることとされています。

 

【誤認防止措置の具体例】

総額表示義務の特例措置の適用を受けるために必要となる誤認防止措置としての表示は、消費者が商品等を選択する際に、明瞭に認識できる方法で行う必要があります。

 

<例1>

値札、チラシ、ポスター、商品カタログ、インターネットのウェブページ等において、商品等の価格を次のように表示する。

 

 

<例2>

個々の値札等においては「○○円」と税抜価格のみを表示し、別途、店内の消費者が商品等を選択する際に目に付きやすい場所に、明瞭に、「当店の価格は全て税抜き価格となっています。」といった掲示を行う。

任意の「中間申告制度」が創設

直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税額を含まない年税額)が48万円以下の事業者(中間申告義務のない事業者)が、任意に中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には、当該届出書を提出した日以後にその末日が最初に到来する6月中間申告対象期間から、自主的に中間申告・納付(※1)することができることとされました。

 

(※1)なお、任意の中間申告制度を適用する場合であっても、仮決算を行って計算した消費税額及び地方消費税額により中間申告・納付することができます。

 

個人事業者の場合には2015年分から、また、事業年度が1年の法人については、2014年4月1日以後開始する課税期間(平成27年3月末決算分)から適用されます。中間納付税額は、直前の課税期間の確定消費税額の1/2の額となります。

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版

榎本 恵一,渡辺 峰男,吉田 幸司,林 充之

三和書籍

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