今回は、「勤労者財産形成促進制度」の概要を説明します。※本連載は、税理士法人恒輝・代表社員で税理士の榎本恵一氏、渡辺人事経営研究所・所長で特定社会保険労務士の渡辺峰男氏、人事戦略研究所・代表で社会保険労務士の吉田幸司氏、YMG林会計グループ・代表で税理士の林充之氏の共著、『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版』(三和書籍)の中から一部を抜粋し、働き盛りの会社員が知っておきたい「税金」の基礎知識について解説します。
税制面の優遇措置がある年金貯蓄&住宅資金貯蓄
働いている方の貯蓄や住宅取得等の促進を目的として、給与から毎月一定額の天引きをし、その金額を事業主が財形貯蓄取扱金融機関に払い込み、貯蓄を行う制度です。
当該制度には、貯蓄の目的に応じて①一般財産形成貯蓄、②財産形成年金貯蓄、③財産形成住宅貯蓄の3つがあります。税制面において優遇措置が設けられているものは、②の年金のための貯蓄のものと③の住宅資金としての貯蓄のもののみとなっております。
また、2014年度税制改正により、当該優遇措置を受けたまま預入の中断が可能な期間(現行最大2年)を、3歳未満の子に係る育児休業等を取得する場合は、所定の手続きを行うことにより、当該育児休業等終了後の預入再開日まで延長できるようになりました(2015年4月1日以後に所要の手続を行った場合に限ります)。
[図表1]勤労者財産形成促進制度(財形制度)の概要
企業の義務として定められている「パートタイム労働法」
パートタイマー等の短時間労働者を保護する法律としてパートタイム労働法が施行されています。これには、パートタイマーに対する特別な保護規定が設けられています。
例えば
●パートタイマーを採用したときは労働条件を文書で明示すること(本書籍・第1章第1節(4)参照)
●パートタイマーから正社員への登用制度を整備すること
●パートタイマーから給与等について質問があれば、説明すること
●正社員とパートタイマーの待遇の差は業務内容や責任の程度に応じて合理的な範囲であること
●事業主はパートタイマーからの相談窓口を設置しなければならない
等が企業の義務として定められています。その他の規定は下に一覧でまとめました。
[図表2]パートタイマーに対する特別な保護規定
税理士法人恒輝 代表社員
株式会社ウィズダムスクール 代表取締役
税理士
ファイナンシャルプランナー
日本人事総研グループ加盟人事コンサルタント
1963年、東京都生まれ。1986年、専修大学商学部会計学科卒業。2000年、産能大学大学院経営情報学研究科経営情報学専攻修了(MBA)。
最近では、企業に対する分かりやすい決算診断の提案と個人に対するライフプランの重要性を説くセミナー活動に情熱を燃やし、起業家の応援を行っている。
著書として『負けない!』(マンガ)、『税務会計論』(共著)、『一般社団法人・財団法人の法務と税務』(共著)、『企業を支える人々へのメッセージ』、『勝経営と三遊亭金時のおもしろ経営塾』(マンガ)、『経営者会計論』(共著)、『税務会計の基礎』(共著)、『経営コーチ入門』(共著)、『その時、会社が動いた』(共著)、『経営コーチ』『ワーク・ライフ・ハピネス』(共著)、『社長、ちょっと待って!! それは労使トラブルになりますよ!』(共著)など。
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渡辺人事経営研究所 所長
特定社会保険労務士
日本人事総研グループ加盟人事コンサルタント
1961年、岡山県生まれ。関西大学商学部商学科卒業。現在、社会保険労務士業に加え、「応援します。良い会社づくり!」をモットーに、人事・労務、財務、金融等の経営に関する幅広い知識で経営計画策定、人事諸制度策定・運用指導などのコンサルティングを行うかたわら、各地で講演活動、研修事業を行う。
著書として『自己責任時代のサバイバルブック』(共著)、『社長、ちょっと待って!! それは労使トラブルになりますよ!』(共著)。
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人事戦略研究所 代表
社会保険労務士
日本人事総研グループ加盟人事コンサルタント
1964年滋賀県生れ。大谷大学文学部社会学科卒業。人事制度の構築、運用、労務管理指導、就業規則等の作成・運用指導、助成金活用指導・手続き代行、社会保険・労働保険の手続き代行、社員研修、能力開発のための個別指導、経営指導、各地での講演活動等を行う。また、滋賀県産業支援プラザ、福井県産業支援センター、各地の商工会議所等の公的機関の登録専門家として地域の中小企業への経営指導にあたっている。
著書として『自己責任時代のサバイバルブック』、『社長、ちょっと待って!! それは労使トラブルになりますよ!』(いずれも共著)。
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YMG林会計グループ 代表
林充之税理士事務所 所長
税理士
1961年、神奈川県生まれ。法政大学経済学部卒業、山梨学院大学大学院公共政策研究科修了。現在、YMG林会計グループ代表として、財務分析を中心にした経営相談を数多く手がける。起業家支援にも力を注いでおり、多くの起業家の「経営コーチ」としての信頼も厚い。また、相続・事業承継においても幅広い相談を資産家の方々の「相続コーチ」として数多くの実績を持ち、経営と資産税の両方のニーズにお応えする幅広いコンサルティングが特徴。講演実績も豊富で判りやすい語り口が好評。
著書として『ときめき会社法』(共著)、『経営コーチ』(共著)、『経営コーチ入門』(共著)『その時、会社が動いた』(共著)、『社長さん今が決断の時です』(共著)、『サラリーマンのための相続トラブル対策』(共著)、月刊税理「この資産にはこの評価」など。
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