同じ業界の人からのセカンドオピニオンを参考に
海外不動産投資の業者として関わりを持つのは、購入物件を紹介してくれる販売会社、そして購入後の物件をマネジメントしてくれる管理会社ということになります。しかし、信頼できるパートナーを見分けることは、簡単ではありません。私は初めてコンタクトをするパートナーに関しては、本人だけではなく、同じ業界の人からのセカンドオピニオンを取るようにしています。狭い業界ですから、問題ある人たちにはすぐに悪い評判が立ち、そんな話があちこちから耳に入ってきたりするのです。
取引経験のない個人投資家が、いきなり現地に行って物件探しを始めるのは、リスクが大きいと言えますが、投資家のサイドに立ってパートナーを探してくれる信頼できるアドバイザーがいれば安心だと思います。物件選択だけではなく、価格の交渉やどの部屋にするのか、ローンの手続き、送金、契約書の内容確認、完成してからのテナント付け……何でも安心して相談できるパートナーは有益です。物件ありきではなく、まず付き合うべき相手をしっかり見つけ、その上で具体的な投資対象を探すというプロセスを忘れないようにしてください。
現地で管理体制やスタッフのクオリティをチェック
海外不動産投資では購入時だけではなく、購入後の管理方法についても精査が重要です。購入後はなかなか現地に行く機会はありませんから、しっかりとした管理会社を探して契約し、安心して任せられる体制をつくらなければなりません。
私は、フロリダ州に購入したコンドミニアムを、現地のアメリカ人に賃貸しています。物件の管理は、現地で実際にオフィスを訪ねていき、ヒアリングした上で、信頼できると判断した地元の不動産管理会社に委託しています。彼らには空室時のテナントの確保から毎月のメールでの賃貸状況のレポートまで、きめ細かく対応してもらっています。
物件を購入してから、現在までテナントは変わることなく賃貸を続けており、安定したキャッシュフローを受け取ることができています。日々の管理は基本的に管理会社がすべて対応してくれますから、現地に行く必要もありませんし、施設の修理の際に工事の許可を求めるメールが来たときに、こちらから指示を出す程度ですから、手間としてはほぼゼロと言ってよいと思います。このようなメンテナンスフリーの状態が実現できているのは、管理会社のクオリティが高いからだと考えています。
長期で入居し、賃料の支払いが遅れることのない良質の賃借人を確保できるのは、管理会社のマーケティングと入居希望者のスクリーニングがしっかりしているからだと言えます。空室になった場合のテナントが見つかるまでの時間や、日々の管理状況の報告方法などは管理会社の能力によって異なると言えます。
良質な管理会社を見分けるには、やはり現地でオフィスを訪問し、管理体制やスタッフのクオリティをチェックするのが確実です。現地に行く前にいくつかの管理会社にアポイントメントを入れて、実際に行ってみれば、誰に管理をお願いすべきかが見えてくるはずです。私が視察に出かける場合、現地に信頼できる管理会社が存在することを条件にしています。管理会社の選択によって、海外不動産投資の成否は大きく変わってくるのです。