前回は、カリフォルニア不動産投資の事例を物件タイプ別に紹介しました。今回は、カリフォルニア不動産投資の収支シミュレーションを見ていきます。

海外不動産投資でポートフォリオの分散を図る

前回の続きです。

 

40代ビジネスパーソンのBさん(男性)のケースです。現在の保有金融資産は4000万円ほど。やはり海外不動産投資など実物資産も含めて、ポートフォリオの分散を図ったほうがいいでしょう。


Bさんが注目したのが、[物件サンプル1]で紹介した、購入価格14万5000ドルのコンドミニアムです。アメリカの不動産物件はドル建てですから、今後、円安が進めば、物件の価格上昇期待だけでなく、為替差益も収益に加わってきます。


 

初期費用は、エスクロー費用が3625ドルに、購入代行費用が4350ドルの合計7975ドルです。


この物件を賃貸に回したとすると、家賃は月1200ドル。年間で見ると1万4400ドルになります。グロス利回りは、1万4400ドル÷14万5000ドル=0.0993=9.93%になります。


同物件の場合、固定資産税や火災保険、管理費などの経費が年間5760ドルかかります。これを家賃から差し引くため、純利益は8640ドルになり、ネット利回りは、次のようになります。


8640ドル÷14万5000ドル=5.96%


もうひとつ、Bさんにとってはこの投資に大きな狙いがあります。それはタックスメリットの享受です。この物件は木造で築25年、建物割合は80%となっていることから、購入価格14万5000ドルの80%、つまり11万6000ドルを4年間で減価償却することができます。


投資後の4年間は、毎年2万9000ドルずつ経費計上できるわけで、これは築古でも建物価値が落ちにくい、アメリカ不動産投資ならではのメリットと言えます。

 

[図表]カリフォルニア不動産投資をしたBさんの収支

ハワイなどでよく見られる「ホテルレジデンス」とは?

ハワイの不動産オーナーになる、ということは、多くの人にとって憧れでしょう。ハワイのような有名リゾートでは、不動産のオーナーシップについてもさまざまな形態が存在しており、コンドミニアムや戸建ての所有といった基本的なスタイルだけでなく、ひとつの物件や部屋の利用権を週単位で分割所有する「タイムシェア」などもあります。


ただ、タイムシェアの場合、ひとつの物件や部屋を複数人で分け合うため、利用にあたっては各種の制約が出てきます。「仕事に余裕ができたから、ちょっとリフレッシュしにハワイへ……と思ったけど、他の権利者が使っていた」なんて話はその最たる例ですが、これではオーナーになった意味がない、本当のオーナーではない、と考える人も少なくないでしょう。


 

一方、戸建てやコンドミニアムを購入すれば、自由に使うことができます。しかし、ハワイの戸建てやコンドミニアムとなれば、価格帯も非常に高額になりますし、毎月の維持管理も簡単ではありません。また、使わない時は賃貸に出そうと思っても、高額物件になるほど借り手を探すのは難しく、そもそもコンドミニアムの場合は建物規約等によって貸し出しに制限が設けられているケースもあります。


こうした中、今注目を集めているのが「ホテルレジデンス」です。これは、ラグジュアリーホテルの一室のオーナーとなり、自分で使いたい時は使い、使わない時はホテルルームとして貸し出すという画期的な所有形態です。


ホテルレジデンスとして所有できる代表的なラグジュアリーホテルとしては、トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー・ワイキキ・ビーチ・ウォーク(以下、トランプ・タワー・ワイキキ)などがあります。その一室(レジデンス)の完全所有権を取得し、オーナーになるというわけです。なお、現在建設中のプロジェクトとしては、ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキ・ビーチなどが知られています。

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『究極の海外不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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