前回は、引渡が始まっているコンドミニアムに関する、外国人オーナーとしての注意点を説明しました。今回は、賃貸相場や利回りなどについて、現在注目を集めている、2区のMASTERI「Tao Den」と、ビンタン区のVINHOMES「Central Park」を例に見ていきます。

駅ビルタイプのコンドミニアム「Tao Den」

2015年7月にベトナムの改正住宅法が施工され、条件付きではありますが、外国人にも住宅物件の使用権購入が許可されました。それによって、住居としてだけではなく収益を目的とした賃貸も可能となり、昨年末からは購入した外国人オーナーの物件引き渡しが始まっています。

 

今回は、注目を集めている2区のMASTERI「Tao Den」とビンタン区のVINHOMES「Central Park」に絞って見ていきましょう。

 

まず、2区のMASTERI「Tao Den」を簡単に説明します。

 

地下鉄METRO1号線沿線上にあり、始発のベンタイン駅から7駅目に位置し、駅からモールに直結する駅ビルタイプのコンドミニアムです。5棟のコンドミニアムと1棟のショッピングモールを合わせた約3800ユニットの複合住宅地域で、METRO1号線沿線の中心寄りでは、最も駅に隣接している複合施設です。まだ最後の棟と付属するテナントショップの引き渡しが完了していませんが、現在の賃貸価格実績は下記のとおりです。

 

●1bedタイプ 約45㎡~52㎡(家具付き、税別700USD~9,00USD)

●2bedタイプ 約60㎡~約87㎡(家具付き、税別700USD~1,300USD)

●3bedタイプ 約90㎡~95㎡(家具付き、税別1,100USD~1,400USD)

 

上記賃貸T1~T4(1棟~4棟)は改正住宅法前の売出し物件で、当時はベトナム人向けの価格で販売した経緯があり、改正住宅法後の販売価格よりも、約10%~30%程割安に購入しています。そのため、T1~T4でのベトナム人オーナーによる賃貸価格は割安な設定に思えますが、実際の表面利回りは10%前後であり、けっして割安ではなく、妥当な価格なのです。

 

ベトナム人の有利差はありますが、今後、外国人が多く購入している、駅とモールに直結するT5(最後の棟)の賃貸が開始されれば、賃貸価格も10%ほどの上昇が見込めます。2020年に電車の運行が始まれば、駅直ビルとしての賃貸価値、キャピタル価値も大いに期待できる、楽しみな物件です。

大型複合商業&住居施設「Central Park」

1区中心地より車で5分~7分の距離にある、ビンタン区のVINHOMES「Central Park」もMETRO1号線沿線にあります。始発のベンタイン駅から4駅目と5駅目の中間に位置し、最も近いエリアでは5駅目から徒歩5分圏内です。

 

総敷地面積約44ヘクタール、11棟のコンドミニアム(1万ユニット)と別荘(95戸)、完成するとベトナム最大の高さになるラウンドマーク81(81階)、14ヘクタールの川沿公園も含んだ大型複合商業&住居施設です。現時点では全体の30%程度、完成引渡が始まっています。

 

下記は現在までの賃貸価格実績です。

 

●1bedタイプ 約48㎡~57㎡(家具付き、税別800USD~1,000USD)

●2bedタイプ 約70㎡~約115㎡(家具付き、税別1,100USD~1,300USD)

●3bedタイプ 約105㎡~115㎡(家具付き、税別1,600USD~1,800USD)

●4bedタイプ 約144㎡~154㎡(家具付き、税別1,900USD~2,000USD)

 

こちらも先に述べたように、改正住宅法前のベトナム人向け売出し物件で、販売するグレードの違いもあるため一概には判断できませんが、改正後の売出し価格より、約10%~30%程度安めに設定されています。

 

賃貸設定価格も表面利回り10%前後で設定しており、こちらでも最初に購入したベトナム人にお得な設定になっています。ただ、まだまだ開発途中で、この価格も、2018年末頃の全面引渡と、2020年地下鉄の開通を迎えれば、利回りとしての賃貸、販売してのキャピタルと非常に魅力的な物件であることは確かです。

賃貸オフィス利回り世界1位のハノイ、2位のホーチミン

今後のベトナムも賃貸利回り物件が豊富です。Savills社の発表による、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカ等の世界54都市で構成されたランキングによれば、賃貸オフィス投資への利回りで、ハノイ、ホーチミン市は世界1、2位をしめているとのこと。ハノイは年間利回りが8.75%と、世界でも最も高利回りとなっており、続くホーチミン市は8.5%で2番目という結果です。

 

ハノイとホーチミン市の利回りが上昇する要因のひとつとして、政治、経済が安定している事を背景に、ベトナムへ投資する企業が年々増加してきたことがあげられます。それに伴い、オフィス需要も上昇しているのです。同様に、海外から進出する企業が年々増加すれば、オフィス需要だけではなく住宅需要も上昇します。

 

賃貸利回りだけではなく、売出し物件も東南アジアの中でもまだまだ割安です。特にホーチミン市に限っては、2020年の地下鉄METRO1号線の運転開始が控えており、同様に、現在、電車の開通で実績のあるタイのバンコク中心地駅前周辺のコンドミニアム売出し価格と比べると約1/3となっています。

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