前回は、お客様に心地よく過ごしてもらうための接客術について取り上げました。今回は、外国人のお客様のニーズを無視した不適切な接客の例について見ていきます。

スタッフがお客様との積極的な関わりを避けると・・・

<カジュアルなお寿司屋さんのエピソード②>

 

お寿司屋さんの入口で存在を無視されながらも入店してくださったお客様の様子を想像してみてください。スタッフは英語の問題もあり、積極的にお客様に関わることを避けるために英語のメニューを黙って置いていきます。せっかくの英語メニューなのに、見方がよくわからないということも実際にはあります。

 

どうやって注文していいのかわからない。あれ? テーブルの前についているこの黒いボタンは何なのだろう。日本人であれば、ここを押せば、セルフサービスのお茶のための熱湯が出ることは誰でも知っています。しかし、初めて見た外国人のお客様がそれを知らなかったとしても少しも不思議ではありません。それを押して手を洗おうとした外国人さえいたと耳にしています。

気を遣ったつもりの接客が相手のニーズと異なることも

せっかくお店に来てくださったお客様のニーズを知ろうとしない店側の姿勢が、この一事だけでもわかります。

 

「僕は日本語も話せるし、読めるんだけど何も言わずに英語のメニューを置いていっちゃうんだよね」とは、知り合いのネイティブの言葉です。

 

外国人だから英語のメニュー。外国人だからお箸ではなく、黙ってフォークとナイフを置いていく。本当はお座敷席に座りたいのに、当然のようにテーブル席に案内する。彼らなりのマニュアルなのかもしれません。しかし、気を利かせたつもりのこのようなやり方に違和感をもつネイティブもいることにも気づいてください。

 

お客様のニーズをまったく認識していない。そしてお客様の気持ちをまったく認識しようとしていない。外国人のお客様を迎えるにあたっては、残念すぎることです。

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村田 志乃

幻冬舎メディアコンサルティング

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