話題の民泊ビジネス 始める前に注意したい法的リスク

今後、関連する法令の整備が進むことで、不動産の運用手法としての「民泊ビジネス」の発展が期待されています。しかし現状では、法的に「グレー」といえる民泊ビジネスも少なくありません。本連載では、日本での民泊ビジネスの課題と現状についてお伝えしていきます。

メディアを通じて認知度が急速に高まった「民泊」

ここ1、2年で、テレビや雑誌といったメディアで「民泊」について報じられることが多くなりました。取り上げられ方や切り口は様々ですが、「民泊成功術!」「民泊で高収益!」などとビジネスもしくは副業の手段としてフォーカスが当てられることもあれば、「国際交流」と絡めて語られることもあります。「自宅に外国人観光客を泊めて、日本にいながら異文化体験を楽しもう!」などというように。

 

そうしたマスコミから流れてくる情報に触れる中で、「空いている部屋に泊めるだけでお金が入るのか、じゃあ、自分もやってみようか」「これは楽しそうだ。外国人の友人もできるかもしれない」など、思い思いの理由で、民泊を始めることを前向きに検討している人は少なくないはずです。もしかしたらすでに準備を整えていて、明日にでもスタートしようとしている人もいるかもしれません。

「旅館業法」などの各種法令に適合することが必要

しかし、くれぐれもご用心を――実は(現時点では)「民泊」は、ちょっとした思い付きで気軽に始められるようなものではないのです。後ほど詳しく説明しますが、個人や法人が許可を得ずに不特定多数の人に宿泊場所を提供して金銭を得ることは「旅館業法」という法律に違反することになります。ホテルや旅館のような宿泊施設はもちろん、ごく普通の一軒家やマンションの一室に泊める場合にもこの旅館業法は適用されます。

 

したがって、空いている部屋、空いている家に旅行客やビジネス客を無許可で泊めて宿泊料をもらうようなことをすれば、最悪の場合、旅館業法違反の容疑で警察に逮捕され、刑罰を科されることになるかもしれないのです。

 

また、民泊を行ううえでは旅館業法以外にも守らなければならない様々な法令上のルールがあります。民泊を通じて「お金もうけをしたい」「外国人と交流したい」のであれば、それらのルールについても十分に理解して、しっかりと法を守ることが求められます。

 

このように、民泊には安易な気持ちで取り組むと、思わぬヤケドを負いかねない側面があります。安心・安全な民泊を運営するためにはどのようなことを知っておかなければならないのか、本連載ではこれから民泊を始めようという人たちのために正しい知識をご紹介していきますが、まずは民泊をめぐる現状や問題点について確認しておきましょう。

とまれる株式会社 代表取締役

京都大学在学中、株式会社ガイアックスを起業。上場に伴い退社したのち、楽天株式会社に入社、プロデューサーとしてMyRakuten等を担当。2013年より株式会社百戦錬磨に参画、取締役に就任。IT業界に精通している立場から観光業に携わったことで〝違法民泊〞の横行に強い問題意識を持つようになる。2013年にとまれる株式会社を設立、代表取締役社長に就任。国が進める国家戦略特区構想のアイデア公募に、空室物件と宿泊者をマッチングし、観光立国化と不動産価値の向上も実現できる民泊の仕組みをいち早く提案した。2013年末に提言が採用され特区法13条が成立、2014年4月からは他社に先駆けて特区民泊事業をスタートさせた。現在は「STAY JAPAN」を運営し、民泊オーナーと旅行客のマッチングを推進している。

著者紹介

連載大ブームの陰で「違法」な運営も横行 民泊ビジネスの課題と現状

本連載は、2016年12月16日刊行の書籍『民泊ビジネスのリアル』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の法令改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

民泊ビジネスのリアル

民泊ビジネスのリアル

三口 聡之介

幻冬舎メディアコンサルティング

世界中で大ブームとなっている「民泊」。日本でも約4万6000件の物件が民泊用のマッチングサイトに登録されています。民泊が広まっている背景にはシェアリング・エコノミーの流行、人口減少による遊休不動産の増加、訪日旅…

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