民泊運営のために遵守すべき「旅館業法」とは?

前回は、「違法な運営」が横行する日本の民泊ビジネスの現状を取り上げました。今回は、民泊運営のために遵守すべき「旅館業法」について見ていきます。

旅館業の健全な発達などを目的に、1948年に制定

これから民泊をトラブルなく安心・安全に始めたいのであれば、ただきれいな部屋を用意するだけではなく、この〝ヤミ民泊〟の問題についても十分に理解しておくことが求められます。そのためには、まず旅館業法について基本的な知識を押さえておく必要があります。

 

旅館業法は1948年に制定された法律であり、その目的は、旅館業の健全な発達を図ること、旅館業の分野における利用者の需要の高度化・多様化に対応したサービスの提供を促進すること、公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することにあります。同法の解釈から、「旅館業」及び「宿泊」は一般に次のように定義されています。

 

●「旅館業」

宿泊料または室料を受け、人を宿泊させる営業のこと

 

●「宿泊」

寝具を使用して旅館業の施設を利用すること

旅館業を営むには行政からの営業許可が必要

そして、旅館業法では、旅館業の類型として、以下のように①ホテル営業、②旅館営業、③簡易宿所営業、④下宿営業の4つが定められています。

 

① ホテル営業

洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業。

 

② 旅館営業

和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業。いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。

 

③簡易宿所営業

宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業。たとえばベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテルが該当する。

 

④ 下宿営業

1カ月以上の期間を単位として宿泊させる営業。

 

これらの旅館業を営むためには、行政から営業許可を受けなければなりません。具体的には、都道府県知事、もしくは保健所設置市または特別区の場合には、市長または区長の許可が必要となります。

 

[図表]営業種別・旅館営業許可件数の推移

とまれる株式会社 代表取締役

京都大学在学中、株式会社ガイアックスを起業。上場に伴い退社したのち、楽天株式会社に入社、プロデューサーとしてMyRakuten等を担当。2013年より株式会社百戦錬磨に参画、取締役に就任。IT業界に精通している立場から観光業に携わったことで〝違法民泊〞の横行に強い問題意識を持つようになる。2013年にとまれる株式会社を設立、代表取締役社長に就任。国が進める国家戦略特区構想のアイデア公募に、空室物件と宿泊者をマッチングし、観光立国化と不動産価値の向上も実現できる民泊の仕組みをいち早く提案した。2013年末に提言が採用され特区法13条が成立、2014年4月からは他社に先駆けて特区民泊事業をスタートさせた。現在は「STAY JAPAN」を運営し、民泊オーナーと旅行客のマッチングを推進している。

著者紹介

連載大ブームの陰で「違法」な運営も横行 民泊ビジネスの課題と現状

本連載は、2016年12月16日刊行の書籍『民泊ビジネスのリアル』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の法令改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

民泊ビジネスのリアル

民泊ビジネスのリアル

三口 聡之介

幻冬舎メディアコンサルティング

世界中で大ブームとなっている「民泊」。日本でも約4万6000件の物件が民泊用のマッチングサイトに登録されています。民泊が広まっている背景にはシェアリング・エコノミーの流行、人口減少による遊休不動産の増加、訪日旅…

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