今回は、不要な在庫を持たない方法を見ていきます。※本連載では、株式会社スペースワン・代表取締役・徳永貴則氏 監修、株式会社エッサム編集協力、資金繰りを支援する税理士の会著、『会社の資金繰り 絶対!やるべきこと知っておくべきこと』(あさ出版)から一部を抜粋し、金策に追われることなく、「資金繰り」のいい会社を目指すための実践的なノウハウを紹介します。

業績を見ながら、弾力的に仕入れを行う

在庫は少ないほうがいいと言いましたが「常時、倉庫をガラガラの状態にしておくべき」と言っているわけではありません。

 

売上を作るために、仕入れは不可欠です。とくに季節によって売上に大きな変動がある業種の場合、その時期は倉庫が常に満杯であっても構いません。

 

たとえば洋菓子屋を経営しているのなら、バレンタインのチョコレートや、クリスマスのケーキなどは、すぐに現金に換わる商品です。倉庫内の商品の回転が良い間は、どんどん仕入れて売上を増やしていきましょう。回転が鈍くなったら仕入れの量を減らして在庫を早めに現金化してしまい、次の「売れる商品」のためにスペースを空けましょう。

 

ポイントは、業績を見ながら、弾力的に仕入れを行うことです。

 

売上が上がっているときは、どんどん仕入れて在庫を増やす。

 

売上が下がってきたら仕入れを減らし、値引きをしてでも在庫を減らして現金に換える。

 

これを簡単に実現できる、良い方法があります。

 

倉庫を小さくすることです。

 

古い商品を放出しなければ、新しい商品を仕入れることができない。そうなると「値引きして利益が減るのは嫌だな」などと言っていられなくなり、早々に在庫の見切りを付けることができます。

 

[図表]

倉庫にある不要な在庫を見極めて放出

これは「部屋を片付ける工夫」と同じです。

 

以前、断捨離という言葉が流行しました。

 

『断』は、これから入ってくる不要なものを断つこと。

『捨』は、いま持っている必要ないものを捨てること。

『離』は、物への執着から離れることです。

 

この3つを実践すると、本当に必要なモノしか持たない、シンプルで豊かな暮らしができるようになるといいます。

 

断捨離のポイントも、収納家具を減らすことから始まります。収納家具があるから、そこにモノを入れたり置いたりしたくなるのです。

 

ビジネスでも同じように、広い倉庫を持つと「まだスペースがあるから大丈夫」と、古い商品をいつまでも抱えてしまいます。その結果、不要な在庫がいつまでも資産計上されたままになり、会社の本来の資産額を把握できなくなります。

 

新たに仕入れを行うときは、倉庫にある不要な在庫を見極めて放出する。

 

シンプルな方法ですが、ぜひ実践してください。

 

会社に必要なものは「商品」<「現金」です。

本連載は、2016年6月23日刊行の書籍『会社の資金繰り 絶対!やるべきこと知っておくべきこと』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

会社の資金繰り 絶対やるべきこと、知っておくべきこと

会社の資金繰り 絶対やるべきこと、知っておくべきこと

徳永 貴則 風張 広美 平井 敬士 窪木 康雄 小高 正之 土江 誠一郎 森 敏夫 浅井 政晃 高田 寛 岸 健一 飯塚 正裕 横田 昭夫 中村 泰宏 日比 亮太郎 舟生 俊博 糊 智至 佐々木 康二 南村 博二

あさ出版

「なんでこうなってしまうのか・・・」と手遅れになる前に! 知識ゼロでもできる「資金繰り表のつくり方」から、「銀行交渉、業種別のポイント」まで。本書では、会社経営の最重要課題の1つである、資金繰りについて、知識ゼロ…

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