前回は、ドージコインが世界に広まるきっかけにもなった、そのユニークな使われ方を見ていきました。今回は、日本発の暗号通貨である「モナーコイン」の概要を説明します。

「投げMONA」と呼ばれるクリエイターへの投げ銭

モナーコイン(モナコイン、Monacoin)は、日本のインターネット掲示板“2ちゃんねる”のソフトウェア板でわたなべ氏によりライトコインをベースとして開発されました。

 

2013年12月23日にリリース(正式リリースは2014年1月1日)された日本初、日本発の暗号通貨です。名前の由来は、2ちゃんねる掲示板から生まれたAA(アスキーアート)「モナー」です(´∀`)

 

 

モナーコインは、ニコニコ動画やPixivといったサービスで活動しているクリエイターが、自分のプロフィールにモナーコインのウォレットアドレスを掲載しておき、作品を見た人たちがそのアドレスにモナーコインを送金するというような、クリエイターへの投げ銭として使われることが多くあります。この投げ銭は「投げMONA」とも呼ばれます。

 

また、「MONA!JAPAN」というYahoo!JAPANにそっくりなWEBサイトが登場しました。そこでは多く投げ銭をした人がランキング形式で紹介されています。

 

その他にも、いらなくなったモノとモナーコインを交換できる「モナオク」というサービスも存在します。当時、日本発の暗号通貨であること、そしてイメージキャラクターが2ちゃんねるのAA「モナー」であることから、特定のコミュニティでは特に盛り上がりを見せました。

プライバシーを守るための新たな暗号通貨技術とは?

ビットコインをはじめとする暗号通貨では、誰でもブロックチェーン上で行われた取引を閲覧することができます。つまり、どのアドレスからどのアドレスへ、いくらの暗号通貨が送金されたかがわかるということです。

 

アドレスだけでは「3Hg...FHK」のような27~34文字の英数字に過ぎませんが、特定のアドレスと特定の人物との関係がわかってしまえば、その人物のあらゆる取引や資産情報を閲覧できることになります。

 

同じアドレスを長く利用すれば、それだけ他のサービスに登録している個人情報と結び付けられる危険性が高まります。そのためプライバシーの観点から、暗号通貨の問題点だとして議論されてきました。

 

この暗号通貨におけるプライバシーを守るために新たな暗号通貨技術として「CryptoNote」が開発されました。そして、この技術をもとに新たな暗号通貨が続々と生み出されました。その中でも広く利用されているコインについて取り上げていきたいと思います。

 

【基本情報】

名称:Monacoin

呼び方:モナーコイン

コード:MONA

開発者/開発組織:Mr.Watanabe(わたなべ氏、2chpool◆bzJIFpVqts)

暗号化方式:Lyra2REv2

コンセンサスアルゴリズム:ProofofWork

承認目安時間:約1.5分

上限発行量:1億512万

 

本連載は、2016年11月24日刊行の書籍『一冊でまるわかり 暗号通貨 2016~2017』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

森川 夢佑斗

幻冬舎メディアコンサルティング

電気代を暗号通貨で支払えるようになる――こんなニュースが伝えられるなど、「暗号通貨経済」の到来が間近になっている。本書は「ビットコイン」をはじめとする暗号通貨やそれを支えるブロックチェーンについて、興味を持って…

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