「貸してもらえるのはありがたい」!?
銀行交渉の末、良い条件を獲得した、
ある経営者がこうつぶやきました。
“かつてのウチは、
銀行融資のフルコースを堪能してました。”
なんのことかとお聞きすると、
担保あり、個人保証あり、保証協会あり、
金利は固定の高金利、繰上げ返済時の違約金あり、
だったそうです。
担当者から次々に繰り出されるメニューを、
貸してもらえるのはありがたい、
という思いで全部受け入れていた、とのことです。
その頃の財務状況をお聞きすると、
“えっ、どうしてその財務状態で?”
と驚くほど、良好な状態だったのです。
“そのときは、銀行からお金を借りるというのは、
そういうものだ、と思い込んでました。”
とのことでした。
その当時、貸借対照表など、
関心をもって見ていなかったそうです。
自社の財務状態が強いとか、弱いとか、
銀行から見てどうなのか、とか、
まったく考えもしなかったのです。
「ウチの条件はおかしいんじゃないか?」と疑問が…
しかしその後、
セミナーや書籍で、銀行交渉のことに触れるたび、
“ウチの条件はおかしいんじゃないか?”
と、少しずつ疑問を抱き始めたのです。
で、交渉を重ね、ようやく、
銀行融資のフルコースから、解放されたのです。
担保なし、個人保証なし、保証協会なし、
金利はタイボ+スプレッドの変動低金利、
繰上返済時の違約金なし、です。
ないないづくしのフルコースです。
そもそも強い財務体質だったので、当然です。
加えて、
その後の銀行の態度が悪くなるかと思いきや、
逆にますます丁寧になり、その経営者は驚いています。
しかし世のなかには、
いまだに銀行融資のフルコースを受けている経営者が、
おられるのです。
財務状態が悪いなら、しかたがないかもしれません。
それでも、財務状態を改善すれば、条件は変えれます。
まずは、銀行が何を悪いとし、何を良しとするのか、
知るところから、始めなければいけないのです。