米より低年収でも「やりがい重視」が8割
語学・IT人材支援などを手がけるZenkenは、2025年4月10日〜20日にかけてインドの工科系大学の3〜4年生を対象とした調査を実施した(有効回答数1,348人)。アンケートで「年収が米国より低くても日本で働きたい理由」を尋ねたところ、最も多かった回答は「仕事のやりがい」で77%に達した(複数回答)。この結果は、インドのIT人材が単なる給与水準だけでなく、技術力のある日本企業でスキルやキャリアを磨くこと自体に価値を見出していることを示唆している。
次に多かったのは「治安・安全面」(71.2%)だった。欧米諸国では移民排斥の動きや格差拡大に伴う治安の悪化が報じられることも少なくない。日本国内でも政策を巡る議論はあるものの、依然として高い治安水準が保たれている点が安心感につながっているようだ。これに続いたのが「アニメなどの文化」(69.5%)だった。このほか、「別の国で働くためのステップ」(43.9%)、「国はどこでもよく海外で働きたい」(30.5%)、「物価が安い」(13.5%)といった回答が並んだ。
日系企業の8割超が「インド事業を拡大」
インドのIT人材が日本企業を志向する背景には、日系企業によるインド現地での旺盛な事業拡大や好調な業績も後押ししているとみられる。ジェトロ(日本貿易振興機構)の「2025年度 海外進出日系企業実態調査」によると、インドにおける今後の事業展開について「拡大する」と答えた日系企業は81.5%と突出して高かった。インド進出企業の拡大意欲は5年連続で上昇している。
2位のパキスタン(63.4%)や3位のベトナム(56.9%)を大きく引き離しており、日本企業のインド市場に対する期待の高さが浮き彫りとなった。なお、事業拡大意欲が50%を超えた国・地域には、バングラデシュ、オーストラリア、台湾、スリランカ、フィリピン、ラオスなどが並ぶ。
現地での積極姿勢を支えているのが、日系企業の堅調な業績だ。2026年の営業利益見通しにおいて「改善する」と回答した企業は60.4%に達した。「横ばい」は34.3%、「悪化」はわずか5.2%にとどまる。「改善」と答えた比率はパキスタン(75.9%)に次ぐ2位となっており、多くの進出企業が収益拡大に手応えを感じている。現地での日系企業の存在感向上が、優秀な学生たちの就職意欲を一段と刺激していると言えそうだ。
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