上位はソニー、トヨタ、日立…製造業が優勢
調査は語学・グローバル人材育成事業などを手がけるZenkenが、2026年4月10日〜20日にかけてインドの工科系大学3〜4年生を対象に実施したもの(有効回答数:1,348人)。
「知っている日本の会社を5つ教えてほしい」と尋ねたところ、最も多かった回答は「ソニーグループ」で10.3%に達した。次いで高かったのが「トヨタ自動車」の9.9%だった。両社ともに戦後早い段階から海外展開を進めており、トヨタは2025年時点の時価総額でも世界のトップ50に入るなど、世界的な大企業2社が上位を占める形となった。
3位以降も大手製造業が並ぶ。3位は日立製作所(7.8%)、4位は富士通(4.5%)、5位は本田技研工業(4.2%)。さらに7位にパナソニックホールディングス(3.5%)、8位に三菱電機(3.0%)がランクインするなど、トップ10の多くを製造業が占めた。国際競争が激化する製造業では、AIやロボットを活用した生産性向上、サプライチェーンの最適化やセキュリティ管理においてIT活用が不可欠となっており、インドの工科系学生にとっても魅力的な就職先として意識されているとみられる。
一方、1980年代からインド市場へ進出し、同国の乗用車市場で高いシェアを誇るスズキは14位にとどまった。同社の場合、現地子会社の「マルチ・スズキ・インディア」がインドの証券取引所に上場しているため、現地では「インド企業」として認識されている可能性がある。
日本企業のインド進出、半数が製造業〜IT系の知名度向上に課題
日本の製造業がインドの理系学生から高い知名度を得ている背景には、実際に進出している企業の多さも影響しているとみられる。日本貿易振興機構(ジェトロ)が2026年3月に発表したレポートによると、2024年10月時点でのインド進出日系企業数は1,434社となり、前年から35社増加した。
業種別の内訳を見ると、製造業が708社と全体の約半数(49.4%)を占めて圧倒的トップとなっている。製造業の詳細では、輸送用機械器具(全体の10.9%)、電気・電子機器(7.0%)、金属製品・加工(6.9%)が高い割合を占める。ソニーやトヨタが属する電機・自動車関連企業の多くが進出していることが現地での露出を高め、結果として優秀な人材を獲得しやすい好循環を生んでいると推測される。
これに対し、本来のターゲットである「情報・通信業(IT業界)」の進出比率は6.4%にとどまり、製造業の約8分の1という状況だ。そのため知名度の面では製造業に後塵を拝している。IT系企業の中で最も上位に入ったのは、全体6位となった楽天グループ(4.0%)だった。同社は2014年に高度技術人材の獲得などを目的とした拠点「楽天インド」を設立し、現地のIT人材を積極的に活用している。また、9位にはソフトバンク(2.8%)がランクインした。
今後、日本のIT業界がインドの優秀な高度人材を確保していくためには、現地拠点の設立や積極的な認知向上活動が不可欠となりそうだ。
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