商業用不動産――空き店舗と空室オフィス
商業用不動産は、住宅のように全国の空室を一括して把握できる統計がないのが実情だ。ちなみに全国商店街振興組合連合会「令和6年度商店街実態調査」によれば、商店街の空き店舗率は11.3%。
これは全国の商店街を対象とするアンケート調査の数値であり、ショッピングセンター、ロードサイド店舗などを含む全国すべての商業床の空室率ではない。
法人保有の遊休建物はどれほどあるか
国土交通省「2023年法人土地・建物基本調査」では、法人が土地と一体的に所有する建物の状況を以下のように把握している。
ここで重要なのは、未利用と低利用を区別することだ。例えば、平面駐車場として使われている土地は収益を生んでいる場合もあるが、立地や用途地域によっては住宅や複合施設への転換余地がある。
その反対に、地方の空き地は所有者が売却を希望していても需要がなく、資産として流通しない場合も存在する。国土交通省の2023年調査では、法人が保有する低・未利用地のうち、約571㎢が空き地に分類されている。
したがって、未利用不動産の市場規模を探る際には、「使っていない不動産」と「現在の使い方を変えれば価値を高められる不動産」の二つを考える必要がある。
では、金額に換算すると何兆円市場になるのか。現時点で住宅、店舗、オフィス、遊休地を合わせた全国の未利用不動産の資産価値について信頼できる統一推計は確認できないものの、仮に空き家385万戸について、1戸当たりの資産価値を置いてみると、次のように換算できる。
空き家385万戸の仮想資産価値は、1戸当たりの想定資産価値1000万円(土地・建物合算計算上の資産価値)として385万戸 × 1000万円で38.5兆円に達する。


