今回は、銀行が融資先を評価する際のポイントとなる「定量要因」と「定性要因」の違いについて見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

格付けの配点合計が「129点」の理由

銀行は、
融資先企業を点数化して格付け(スコアリング)します、
と言い続けています。
格付け(スコアリング)に繋がる点数が良くなるよう、
決算書づくりには工夫が必要です、
とも言い続けています。


Kakuduke

 

一方、次のような質問もあります。
“しかしこの配点合計は、なぜ129点なんですか?”
“えらい中途半端な点数ですね。”
まさに素朴な疑問です。
確かに、
格付け(スコアリング)を決める配点合計は129点です。
“なぜ?”となります。

 

これにはワケがあります。
本来、格付け(スコアリング)の点数合計は、200点満点なのです。
その200点の配点を、大きく2種類の点数に分けています。
「定量要因」と「定性要因」です。
「定量要因」は、決算書に基づく客観的要素、です。
「定性要因」は、事業性などを評価する主観的要素、です。
で、「定量要因」が129点、「定性要因」が71点、
合計が200点、という内訳になっています。
比率にすれば、
「定量要因」が64.5%、「定性要因」が35.5%、です。

主観的評価の「定性要因」は放っておけばいい!?

“格付け(スコアリング)を良くするには、
 営業利益が多くなるようにしなさい!
 自己資本比率がアップするようにしなさい!”
と、言い続けているのは、
「定量要因」の点数を良くするため、なのです。
“じゃあ「定性要因」は、どうすればいいんでしょうか?”
と、お思いになるかもしれません。

 

その答えは、
“ほっておけばいい。”ということです。
かまう必要はない、ということです。

 

“えっ、なんでですか?”“いいんですか?”
と思うかもしれません。
その答えは、主観的評価となる、「定性要因」の内容と、大いに関係があります。
そのことは、次回に書かせていただきます。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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