財産の分け方と遺言執行者を指定する
財産をどのように相続人に分けるか決定します。例えば、配偶者には物件を遺して家賃収入を受け取ってもらい、子どもたちには預金を遺す。あるいは、物件を売却して、その代金を分けてもらう、といった具合です。DIFC遺言では、こうした希望に合わせて、財産ごとの引き継ぎ方を定められます。
一つの物件を複数の子どもに遺す場合にも、共有で保有してもらうのか、売却代金を分けるのかによって必要な遺言条項が変わります。
指定した受取人が自分より先に亡くなった場合に備え、代わりの受取人も指定できます。
また、遺言に沿って遺産の管理・分配を担う「遺言執行者」を決めることは必須です。さらに、その人が対応できない場合の予備の執行者も指定できます※1、2。
遺言執行者は、配偶者などの家族を指定しても、弁護士に依頼してもかまいません。家族が担う場合は、現地の弁護士に裁判所への申請を支援してもらい、相続に詳しい仲介会社には管理会社や開発会社との連絡を支えてもらうえる体制を組むことができます。購入時から関わる仲介会社なら、物件の契約や支払いの履歴も共有しやすいでしょう※1。
UAEで未成年の子どもと暮らしている方は、子どもの世話を担う後見人をFull Willで指定することもできます。逆にいうと、遺言書で指定しておかないと、裁判所が希望とは異なる後見人を指定してしまう恐れがあります。そのため、家族の状況に応じた遺言内容の確認が必要です。日本で暮らす子どもの後見については、日本側で別に備えます※2。
すでに日本で遺言書を作成している場合の注意点
日本ですでに公正証書遺言などを作成している場合は、その写しを担当の弁護士に渡して確認してもらうことが推奨されます。新しい遺言に以前の遺言を取り消す文言を入れると、日本の遺言まで影響を受けるおそれがあるためです。どの財産をどちらの遺言で扱うかを明記し、財産の分け方も食い違わないように調整します。後から日本の遺言を作り直す場合も、同じ確認が必要です※1。
Full Will(包括遺言)には、日本などUAE外の財産も含められます。ただし、日本でその内容を実現するための条件や手続は別に確認が必要です。日本の財産は日本の遺言、UAEの財産はDIFC遺言と対象を分ける方法が一般的です※1。
