所得や資産を踏まえた給付対象者の選定
2029年4月から実施される就業者負担軽減支援金はB層を対象とする一方、消費税減税はA層、B層、C層の全員が対象となります。ただし、消費税減税は、2年間のつなぎ措置として位置付けられています。
もっとも、支援金法案や就業者負担軽減支援金の適用対象者を決めるに当たっては、勤労所得だけでなく、資産所得の有無なども考慮した、きめ細かな判定が必要になります。
過去の給付政策から見える課題
今後、詳細な議論は予算委員会などで行われるのでしょう。しかし、給付については、過去に菅義偉内閣が新型コロナウイルス対策として、国民1人当たり10万円を給付した事例があります。この政策については、十分な評価が行われていません。
給付によって国民に現金が配られれば、国民は歓迎するだろうと考えるのは、政府側の思惑にすぎないのではないでしょうか。岸田内閣時代の給付については、手続きが煩雑であるなど、多くの批判がありました。
公平できめ細かな給付を実現する難しさ
給付は、「国がお金を配りますから、国民の皆さん、歓迎してください」というほど単純なものではありません。
支援金制度そのものにも、公平性を確保しながら、対象者をきめ細かく選定して給付することが難しいという問題があります。減税に代わる給付を実施するのであれば、対象者の選定基準や所得・資産の把握方法、手続きの簡素化などについても、十分に検討する必要があります。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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