今回は、他府県からその地に乗り込んできている、いわゆる「アウェイの地方銀行」が融資に際して好条件を提示する理由について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

メガバンクをも翻弄する地方銀行の戦い方

“○○銀行から、0.38%の金利提示がありました!”ということを、何度も目の当たりにしてきました。その場合、多いのは、全くの他府県からその地に乗り込んできている、地方銀行です。

 

その銀行にすれば、完全に、アウェイなのです。

 

スポーツにしろ、ビジネスにしろ、アウェイの地では、普通の戦い方だと勝てません。なのでまず、大胆な契約条件を提示します。しかも、必死です。メガバンクをも、翻弄させます。

 

アウェイの地方銀行が、競争の中に入ることで、金利の低下、手数料の見直しなど、条件が好転し始めます。

 

しかし、アウェイでスゴイ条件提示をする銀行も、ホームグラウンドとなる地域では、全くその逆になります。

 

“○○銀行は、金利を一向に下げませんよ!”
“○○銀行には、ヒドイ目にあわされました!”
とにかく、ホームでは強気なのです。だから、ホームでは、評判が悪いのです。

 

スポーツだと、ホームは人気があり、アウェイは人気が落ちます。銀行は、逆なのです。ホームは不評で、アウェイは喜ばれる存在なのです。

 

じゃあ、不評なのに、なぜ、ホームでは強いのか?ということです。

「ホーム銀行」の強気の条件をのんでしまう経営者

“○○銀行に、一度でいいから、一泡吹かせたい!”
そう思いながらも、ホームの銀行とお付き合いしているのです。

 

結局、しがらみや銀行サマサマ病に、しばられている経営者が多いのです。心理的に、ホーム銀行が有利なのです。

 

だから、ホーム銀行は、強気の条件を提示するのです。財務体質が強いのに、その条件をのんでしまうのです。とかく銀行員の前では、メンタルが弱くなるのです。

 

逆に、アウェイでは、銀行員は、心理的に不利です。だから、アウェイ銀行は、大胆な好条件を提示するのです。ならば、心理的に不利な、アウェイの銀行を活用すればよいのです。

 

そのためには、まず、財務内容を強くし、アウェイ銀行が好条件を提示できるようにすれば良いのです。だから、B/Sを磨き、筋肉質の財務にしてほしいのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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