余分なキャッシュアウトが増える短期借入
決算書を見ると、月商の何倍もの現預金を抱えている場合があります。
で、B/Sの右側を見ると、借入金がどっさりある、というケースがよくあります。
しかも、短期借入が長期借入より大きい、ということが多いです。当然、元金返済も大きくなります。支払利息も膨らみます。なので、余分なキャッシュアウトが増えています。その分、資金繰りが厳しいのです。
ムダなキャッシュアウトがなければ、その分、資金繰りは、ラクなのです。担当者に聞くとたいてい、銀行に言われるがまま、借りているのです。
で、“短期借入を減らして、現預金を減らしなさい!”というと、“資金繰りが厳しいのに、現預金を減らすんですか!”と、驚く方が、おられるのです。
その現預金は、結局は、借金であり、その借金が、資金繰りの首を絞めているのです。
ムダに借りるから、資金繰りが悪くなるのです。そのことがおわかりにならない方が、時々おられるのです。現預金がたんまりあることで、安心してしまうのです。
で、“誰に相談したんですか?”と聞くと、“銀行の人に相談しました”なんていう、信じられない返事が返ってきたこともあるのです。
現預金の目安は月商の2分の1
銀行は、貸すのが商売です。借入を減らしなさい、とは絶対に言いません。
“現預金をもう少しお持ちになってはいかがですか?”と、言ってくるだけです。
つまりは、借金を進めてくるのです。
期日が来ても、更新をしなければ、短期借入は減ってゆくのです。支払利息も減るのです。
現預金も在庫です。目安は、月商の2分の1です。それより多いなら、減らして、ギリギリで資金繰りを回す方向に、舵取りをしてほしいのです。