今回は、中小企業でも「銀行の都合」など無視してよい理由を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

不正防止の意味合いも強い銀行員の定期異動

銀行員には、転勤がつきものです。もっとも多いのは、定期異動です。これには、不正防止の意味合いもあります。

 

もちろん、キャリアアップの意味もあります。

 

しかし、なかには、当人にとって、あまりうれしくない異動もあります。

 

ある企業で、メイン銀行を変える、ということがありました。

 

こちらの要望を受け入れてくれないA銀行から、受け入れてくれるB銀行に、変えたのです。

 

A銀行には借り入れが残っていました。が、B銀行から借りて、そっくり返したのです。
A銀行は、大騒ぎです。が、後の祭りです。

 

で、数ヶ月後、A銀行の融資担当課長が挨拶にきました。

 

〝季節はずれの異動ですが・・・、長らくお世話になりました・・・〟と。

 

まあ間違いなく、借り入れ返済の件が、響いてしまったのでしょうね。
それでいて、その支店の支店長は、そのまま残っています。


まるで、どこかのドラマにあったパターンかのよう、なのです。

メイン銀行の支店長であれ、10年後にはいない・・・

メイン銀行を変える、というのは、企業側にも、かなりの決断がいります。

 

とはいうものの、メイン銀行が、自分たちの都合ばかりを盾にするなら、こちらも対抗手段を見せる必要があるのです。

 

それに、支店長であれ、誰であれ、10年後には、そこにはいません。どうせ、どこかへ異動・出向されるのです。

 

新たに来た方々は、遠い過去のいきさつなど、知るよしもありません。
季節はずれの異動となろうがどうだろうが、中小企業は、その地で経営を続けるために、有利な方策を見いだし、実行するだけなのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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