不正防止の意味合いも強い銀行員の定期異動
銀行員には、転勤がつきものです。もっとも多いのは、定期異動です。これには、不正防止の意味合いもあります。
もちろん、キャリアアップの意味もあります。
しかし、なかには、当人にとって、あまりうれしくない異動もあります。
ある企業で、メイン銀行を変える、ということがありました。
こちらの要望を受け入れてくれないA銀行から、受け入れてくれるB銀行に、変えたのです。
A銀行には借り入れが残っていました。が、B銀行から借りて、そっくり返したのです。
A銀行は、大騒ぎです。が、後の祭りです。
で、数ヶ月後、A銀行の融資担当課長が挨拶にきました。
〝季節はずれの異動ですが・・・、長らくお世話になりました・・・〟と。
まあ間違いなく、借り入れ返済の件が、響いてしまったのでしょうね。
それでいて、その支店の支店長は、そのまま残っています。
まるで、どこかのドラマにあったパターンかのよう、なのです。
メイン銀行の支店長であれ、10年後にはいない・・・
メイン銀行を変える、というのは、企業側にも、かなりの決断がいります。
とはいうものの、メイン銀行が、自分たちの都合ばかりを盾にするなら、こちらも対抗手段を見せる必要があるのです。
それに、支店長であれ、誰であれ、10年後には、そこにはいません。どうせ、どこかへ異動・出向されるのです。
新たに来た方々は、遠い過去のいきさつなど、知るよしもありません。
季節はずれの異動となろうがどうだろうが、中小企業は、その地で経営を続けるために、有利な方策を見いだし、実行するだけなのです。