無料相談を請け負う相手の「インセンティブ」を考えてみる
金融機関の窓口であれば、「手数料の高い商品を勧められるかもしれない」という警戒心が働くかもしれませんが、「中立を装う相手」には警戒心を持たない人もいるようなので、要注意です。
「無料で保険の相談に乗ります。各社の保険商品を幅広く見渡し、お客様にいちばんピッタリな保険を選んで差し上げます」と言われたら、相談したくなる人も多いでしょう。しかし、それは危険です。
筆者の好きな言葉に「相手の立場で考える」というものがあります。「この人は無料でアドバイスをくれるらしいが、ならば、どうやって収入を得て、どうやって生活しているのだろう?」と考えてみるのです。
そうすれば「もしかして、私が保険に加入することで、この人が保険会社から謝礼を受け取る約束なのではないか?」と気づきます。「ならば、この人は謝礼を一番多額に払ってくれる保険会社の商品を私に勧めるだろうが、それは多分保険会社の利益率が一番高い保険商品なのだろう」という考えに至るはずです。
ファイナンシャルプランナーのなかにも、同じような人がいます。日本人は「情報は無料」と考える人が多く、特に最近ではインターネットで無料情報が簡単に得られることからも、その傾向が強まっているようです。しかし「タダほど高いものはない」という言葉は今でも活きています。
数千円程度の相談料でファイナンシャルプランナーに相談してみると、「そんな商品を買ってはいけません」とアドバイスしてもらえるかもしれません。大切なのは「私はお客様に金融商品を売りません。お客様からの相談料で生活しているからです」と宣言しているファイナンシャルプランナーを選ぶということですね。
病気になったときには、多くの人は自分で医学書を調べるのではなく、プロである医師に頼るはずです。金融商品も、自分で調べたり無料の情報を信じたりするより、多少の費用を支払って信頼できそうな情報源を頼る方が、結局安上がりかもしれませんよ。
「自分で決めない」という意思決定も選択肢
「自分で金融商品を選ぶのは困難だけれど、銀行預金はインフレに弱いリスク商品だから、少しは株も持ちたい」という場合には、「自分で決めない」という選択肢も有益です。
金融機関に行き「世界中の株を少しずつ買う投資信託というものがあるらしい。それを毎月1万円ずつ買いたい」と言えばよいのです。これなら、どの株を買うのか決める必要も、いつ買うべきかを考える必要もありません。しかも、期待値はプラス(確率的には儲かる)のです。
大切なのは「自分で決めない」というルールを守ることです。株価が暴落したときに狼狽して積み立てを止めたり、持っている投資信託を売ったりする人がいますが、結果的に「自分で決めたから間違えた」ことになる可能性が高いからです。
本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。
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塚崎 公義
経済評論家
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