税務の世界からも注目される資金の流れ
マネーロンダリングは、いわゆる通常の税務の世界からは離れた問題のように見えます。しかし、違法な取引によって得られた資金が合法的な所得に見せかけられれば、課税を逃れることにもつながります。そのため、国際的な資金の流れを監視するうえで、税務当局なども無関係ではありません。
米国では、内国歳入庁(IRS)や財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)などが、こうした資金の流れに目を向けています。日本でも金融庁などが、マネーロンダリングやテロ資金供与対策に取り組んでいます。
武力衝突を考える際には、兵器や戦闘そのものだけでなく、「資金がどこから来て、どこへ流れているのか」という視点も重要です。
国家であれば、税収を中心とした財政が戦争を支える基盤になります。これに対して、国家の統治が十分に及ばない地域では、密貿易や違法取引、国外からの支援など、国家とは異なる資金調達ルートが形成されます。
戦争や紛争を経済・税制の側面から見ると、こうした「資金の流れ」が武力衝突の継続を支える一つの要因になっていることが分かります。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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