中小企業の手元資金強化をもたらす「モニタリング強化型特別保証制度」
中小企業において、資金繰りの安定化と手元キャッシュの確保は、強固な財務基盤を築くための最優先事項です。この課題を解決するため、2026年3月16日から新たに開始された公的支援策が「モニタリング強化型特別保証制度」です。
本制度は、会社の資金繰りや財務体質を強化したい中小企業経営者を幅広く対象として創設されました。毎月の資金繰り状況や財務データを、認定経営革新支援機関である税理士などの専門家と連携しながら金融機関へ報告するモニタリング体制の構築を要件として、最大2.8億円の保証枠を提供する仕組みとなっています。
最大の特長は、国による手厚い保証料補助です。通常、信用保証協会を利用する際には一定の保証料率が発生しますが、2027年3月末までに申し込むことで、保証料率がおおむね0.95%以下へ低減されます。
また、既存の借入金を本制度へ借り換えることで、毎月の返済負担を軽減しつつ、追加で無担保の公的融資を引き出すことが可能となります。金融機関側も、定期的なモニタリングを通じて企業の状況を詳細に把握できるため、追加融資や条件変更の審査が円滑に進むといったメリットがあります。
物価高騰を支援する「協調支援型特別保証制度」
物価高騰や人件費上昇の影響を受ける中小企業を支援する「協調支援型特別保証制度」という制度もあります。
本制度は、民間金融機関のプロパー融資と信用保証協会の保証付き融資を組み合わせる協調融資を要件としています。融資枠の最大上限は2.8億円に設定されています。
金融機関が審査で重視するのは、「1割のプロパー融資」をいかに実行するかという点です。民間金融機関がリスクを取って1割を融資することにより、残りの9割に対して信用保証協会の保証が適用される仕組みとなっています。
プロパー融資を引き出すために有効な実務上の方法として、定期預金を担保として提供するという手法があります。手元の定期預金を全額解約することなく担保に設定することで、金融機関側のリスクを極限まで低減させ、審査を通過しやすい環境が整えられます。
担保ならびに法人代表者以外の連帯保証人も原則不要とされているため、経営上のリスクを抑えた資金調達が可能です。
