最短1年で全額経費…賢い社長は個人車を「法人名義」に
経営者個人が所有する車両を自社へ売却し、法人名義へ切り替えることにより、会社側・経営者個人の双方に大きな財務上のメリットが発生します。
法人側のメリット:法人の損金に計上できる
これまで個人のポケットマネーで支払っていた車両関連の費用を、事業用経費として法人の損金に計上できる点がメリットとして挙げられます。
毎年の自動車税、車検費用、任意保険料をはじめ、日々のガソリン代や駐車場代、高速道路利用料に至るまで、事業利用の実態があればすべて会社の経費として処理することが可能です。
さらに、法人格が個人から車両を購入した代金そのものも、減価償却費という形で数年間にわたり損金化できます。特に、個人が数年間使用していた車両を買い取る行為は、法人から見れば中古車の購入に該当します。
耐用年数が経過した中古車は新車よりも短い期間で償却できるため、たとえば4年が経過した普通乗用車であれば、最短1年(12ヵ月)で全額を減価償却費として損金に計上できます。
ただし、減価償却費の計上にあたっては月割り計算のルールが適用されます。決算直前のタイミングで売買を行った場合、該当する事業年度で計上できる減価償却費は使った月数分(12分の1)のみとなるため、取得する時期の選定が重要となります。
経営者側のメリット:個人の支出負担が軽減できる
また、個人所有の車両を法人名義へ変更することは、経営者個人の手取り(可処分所得)を増大させる効果ももたらします。
従来、経営者が個人の手取り給与から負担していた車両維持費(仮に月額5万円と仮定)が法人の経費へ移行することにより、個人の実質的な支出負担は即座に軽減されます。この支出軽減に合わせて、役員報酬の額面金額を意図的に月額5万円引き下げる改定を実施した場合であっても、個人の生活水準は一切低下しません。
役員報酬の額面を減額することにより、その給与所得に連動して課される所得税、住民税、ならびに社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料)の負担額が直接的に抑えられます。
その結果、手取り給与の額面減少が生じたとしても、税金や社会保険料の控除額が小さくなるため、個人の可処分所得は実質的に増加するという税務上の構造が成り立ちます。
