不動産投資は王道だが…「年収1,000万円以上」のサラリーマンの手取りを増やす〈意外な節税法〉【税理士が解説】

不動産投資は王道だが…「年収1,000万円以上」のサラリーマンの手取りを増やす〈意外な節税法〉【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンや役員は給与所得のみでは経費計上が認められないため、手取り額を増やすには税負担そのものを抑える「損益通算」の仕組みを理解する必要があります。本記事では、給与所得の黒字と不動産所得や事業所得の赤字を相殺し、合法的に課税所得を圧縮する4つの手法と実務上の注意点について、税理士法人グランサーズ共同代表・黒瀧泰介氏が解説します。

年収1,200万円で税金は約250万円に…高所得者の負担となる「累進課税」

給与所得者で年収が1,000万円を超えると、累進課税制度によって所得税と住民税の税率が跳ね上がり、税負担が著しく高額化します。一例として年収1,200万円の場合、所得税と住民税の合計額は年間で約250万円にのぼります。

 

サラリーマンや役員の給与所得のみでは事業経費の計上が認められないため、手取り額を増やすには税負担そのものを抑えるアプローチが必要です。この課税負担を軽減するための重要な仕組みが「損益通算」です。

 

損益通算とは、複数の所得区分のなかで発生した黒字と赤字を相殺し、全体の課税所得を引き下げる計算ルールです。仮に給与所得が1,200万円の黒字であっても、別の所得で1,200万円の赤字が発生していれば、合算後の課税所得は0円となり、所得税や住民税の負担を削減できます。

 

ただし、損益通算が認められる赤字の所得区分は限定されています。日本の所得税法における10種類の所得区分のうち、損益通算が認められるのは不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4種類のみです。

 

高所得者が給与所得を圧縮する施策を実行する際は、不動産所得または事業所得で計算上の赤字を生み出す手法を選択することが基本となります。

王道は「中古の国内不動産」…短い耐用年数で減価償却費を集中

損益通算を活用した節税手法として代表的な選択肢が「中古の国内不動産投資」です。不動産所得で帳簿上の赤字を作るために、建物の購入代金を毎年の必要経費へ配分する「減価償却費」を活用します。

 

減価償却の対象となるのは建物部分のみであり、土地部分は含まれません。節税効果を高めるためには、全体価格に対する建物割合の高い物件を選択することが重要となります。

 

新築物件と比較して中古物件は短い耐用年数で計算できるため、1年間で計上できる減価償却費を飛躍的に増大させることが可能です。たとえば、築22年が経過した木造アパート(建物価格4,400万円)を購入した場合、法定耐用年数22年の償却期間は計算上4年へと短縮されます。これにより、1年あたり1,100万円の減価償却費を集中して計上でき、給与所得の黒字を強力に相殺できます。

 

一方で、不動産投資には「デッドクロス」の注意点が存在します。短い償却期間が終了すると減価償却費が大幅に減少する一方、ローンの元本返済額が償却費を上回る状態が発生します。その結果、帳簿上は黒字でありながら手元の現金が不足するキャッシュフローの悪化を招くため、出口戦略や事前のシミュレーションが不可欠となります。

次ページ高所得者が知っておきたい〈意外な節税法3選〉

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧