2年後に8%へ戻すのはなぜか
今回の制度を理解するうえで重要なのが、2029年度以降の制度設計である。政府は2027年度と2028年度の2年間を、給付付き税額控除へ移行するまでの期間と位置付けている。
その間に導入するのが「就業者負担軽減支援金」だ。ここで重視されるのは、単純な年収の額ではない。税金や社会保険料をどれだけ負担し、児童手当などの現金給付をどれだけ受け取っているのか。その結果として、所得に対して実質的にどれだけの負担をしているのか――。
こうした「純負担率」に着目して、支援の必要性を判断する仕組みが検討されている。政府が目指すのは、単純な低所得者向け給付ではなく、働く人の税・社会保険料負担を調整し、手取りを増やす制度である。
「働けば働くほど得」をどう作るのか
今回の支援金制度では、就業を促す仕組みも盛り込まれている。
その一つが「就業促進特例加算」である。社会保険への加入などによって負担が増えると、働く時間を増やしたにもかかわらず手取りがあまり増えないケースがある。いわゆる「年収の壁」の問題だ。そこで、一定の要件を満たす人について支援額を加算し、負担増によって就業を抑制するインセンティブを和らげる。
食料品の減税だけなら、物価高に対応するための政策と捉えることができる。しかし、就業促進まで組み合わせることで、政策の狙いは「生活費を安くする」だけではなく、「働くことで手取りを増やす」方向へ広がっている。
