(※写真はイメージです/PIXTA)

政府は9月15日、2027年度の税制改正大綱を閣議決定した。今回の改正で大きな焦点となるのが、飲食料品にかかる消費税率を現在の8%から1%へ引き下げる特例である。実施期間は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間。その後は8%に戻す一方、低・中所得の現役世代を対象とする「就業者負担軽減支援金」を導入し、2029年度からは「給付付き税額控除」につなげる。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

2年後に8%へ戻すのはなぜか

今回の制度を理解するうえで重要なのが、2029年度以降の制度設計である。政府は2027年度と2028年度の2年間を、給付付き税額控除へ移行するまでの期間と位置付けている。

 

その間に導入するのが「就業者負担軽減支援金」だ。ここで重視されるのは、単純な年収の額ではない。税金や社会保険料をどれだけ負担し、児童手当などの現金給付をどれだけ受け取っているのか。その結果として、所得に対して実質的にどれだけの負担をしているのか――。

 

こうした「純負担率」に着目して、支援の必要性を判断する仕組みが検討されている。政府が目指すのは、単純な低所得者向け給付ではなく、働く人の税・社会保険料負担を調整し、手取りを増やす制度である。

「働けば働くほど得」をどう作るのか

今回の支援金制度では、就業を促す仕組みも盛り込まれている。

 

その一つが「就業促進特例加算」である。社会保険への加入などによって負担が増えると、働く時間を増やしたにもかかわらず手取りがあまり増えないケースがある。いわゆる「年収の壁」の問題だ。そこで、一定の要件を満たす人について支援額を加算し、負担増によって就業を抑制するインセンティブを和らげる。

 

食料品の減税だけなら、物価高に対応するための政策と捉えることができる。しかし、就業促進まで組み合わせることで、政策の狙いは「生活費を安くする」だけではなく、「働くことで手取りを増やす」方向へ広がっている。

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