フランス語圏に残る旧宗主国の影響
また、アフリカ諸国のなかには、かつてフランスの海外領土であった国があり、公用語としてフランス語を使用している場合があります。
さらに、税制についても、旧宗主国であるフランスの税制をモデルとして制定した国があります。そのため、現在のフランスでは適用されていない古い税制が、アフリカの国に残っているという珍しい現象も見られます。
多言語国家・ベルギーの税制
欧州には、同じ国のなかで複数の言語が使用されている国もあります。ベルギーの公用語はオランダ語(フラマン語)、フランス語、ドイツ語であり、スイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語です。
ベルギーの場合、使用する言語によって地域が分けられており、地域によって相続税(遺産税)の税率が異なっています。
① ブリュッセル首都圏地域は州に分割されておらず、フランス語とオランダ語の併用地域です。
② フランデレン(Flemish)地域は5つの州から構成され、オランダ語圏です。
③ ワロン(Walloon)地域は5つの州から構成され、フランス語圏と一部ドイツ語圏です。
公用語と税制・・・一見遠い二つの世界
このように、公用語と税制は一見すると関係がないように思われますが、実際には意外なところで関連しているのです。
国の地理だけでなく、そこで使われる言語や形成された言語圏に目を向けることで、国境、人の移動、資金の移動、そして税制の違いまで、国際社会の新たな一面が見えてきます。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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