(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年9月の第2週に公表が予定されている食料品消費税減税の税制改正大綱について、財源の手当てや地方消費税の減収補填、8%復帰と給付付き税額控除の関係など、論点が徐々に明らかになってきました。秋の国会審議を前に、法案の「周辺問題」と「内在する問題」を切り分けて整理することが求められます。9月に『食料品消費税1% 減税×給付付き税額控除の真実』を刊行したした矢内一好氏が解説します。

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大綱作業が本格化、法案の争点整理が急務

消費税の改正法案が秋の国会で審議される際には、多方面からの意見が交差することになるでしょう。この改正法案を検討する際には、検討事項の論点を区分することが必要です。すなわち、法案の周辺問題と、法案に内在する問題とに分けて整理する必要があります。

「周辺問題」と「内在問題」の整理

周辺問題としては、①減税の財源、②2年後に1%から8%に戻る問題、③地方消費税の減収分の補填、④減税分が物価上昇と相殺されて効果が減殺されること等が想定できます。

 

内在する問題としては、①外食産業、農業従事者、小規模事業者等への対策、②食料消費税減税の1%分給付の対象者の範囲等が挙げられます。

 

周辺問題の①と③は、しっかりとした案を政府が出さなければ、法案自体が廃案となることから、令和9年度予算に組み込むことになるでしょう。その予算案を分析して、その案が適正かどうかを審議するのが筋です。

8%への復帰は「増税」か 給付付き税額控除とのパッケージ論

周辺問題の②は、1%から8%に戻ることが増税となり批判対象になるという意見については、増税という側面の指摘自体は正当なものです。

 

しかし、高市総理は2年度には8%に戻ると明言していることから、増税反対の理由が考慮されて1%が2年以降も継続することはありません。8%への戻りが増税であるということのみをもって批判するのであれば、適正な意見とはいえません。2年後には給付付き税額控除が導入されるからです。

 

給付付き税額控除の対象者は8%戻りによる増税の負担が軽減されますが、対象外の者は増税となります。要するに、8%増税と給付付き税額控除導入をパッケージとして検討する必要があります。

 

内在問題に関する骨子は、農林漁業者への給付策や、外食産業へのテイクアウト導入など多角化に向けた支援を講じることになります。また、1%の給付対象者について、配偶者等の所得を合算しない等の措置を講じて、その判定の簡便化を図ることになるでしょう。

秋の法案成立後、広報活動とSNS世論が焦点に

今後の政府の行動としては、秋の法案成立後に執行までの期間が短いことから、消費税減税の意義に関する広報活動を大々的に進める必要があります。

 

これまで、消費税の導入および税率引き上げに関しては多くの批判がありましたが、最近は、オールドメディアといわれる新聞あるいは放送ばかりでなく、SNS等の動向にも注目すべきです。最終的に、法案の内容は国民が評価することを忘れてはなりません。

 

矢内 一好

国際課税研究所

首席研究員

 

 

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