夫婦が変えた週末の過ごし方
きっかけになったのは、夫婦で3泊の旅行を計画したときでした。日曜日を含む日程だったため、恵子さんは1ヵ月ほど前に奈津美さんへ、「この週は旅行だから、うちにはいないよ」と伝えました。
すると奈津美さんは、「じゃあ旅行、平日にずらせない?」と尋ねました。
恵子さんは驚きました。
「どうして私たちがずらすの?」
奈津美さんは、「子どもたち、毎週行くの楽しみにしてるから」と答えました。その言葉を聞いて、恵子さんは初めてはっきり伝えました。
「孫に会うのは私たちも楽しみだよ。でも毎週となると、私たちの予定が何も入れられないの」
奈津美さんには、そこまで負担になっているという認識がありませんでした。両親がいつも歓迎してくれ、食事も用意してくれるため、週末に実家へ行くことが双方にとって楽しい時間だと思っていたといいます。
一方、正人さん夫婦も「今日は無理」とほとんど言ってきませんでした。そこで夫婦は、娘一家が来るのを月2回程度にすることにしました。
日程も「今週行っていい?」と直前に決めるのではなく、夫婦の予定を確認してから決めます。
毎回食事を用意することもやめました。昼食を持ってきてもらったり、外食ならそれぞれで支払ったりする日も作りました。
こども家庭庁『令和6年度児童育成支援拠点事業等に関する調査研究』などでも、子育て家庭を地域や各種サービスで支える重要性が示されています。子育てを支える存在は祖父母だけではなく、家族の状況に合わせて複数の支援先を持つことも一つの方法です。
それでも、会わなくなったわけではありません。月に2回ほど一緒に過ごし、誕生日や学校行事には以前と同じように顔を合わせています。
一方、空いた週末には夫婦で出かけるようになりました。延期していた温泉旅行にも行き、正人さんは月に数回、友人と釣りへ出かけています。
「孫が来ない日がうれしい、という話じゃないんです。孫と会う日も、二人で過ごす日もある。それくらいが私たちにはちょうどよかったんだと思います」
祖父母にとって、孫と過ごす時間は大切なものです。ただ、頻度が増えれば、食事の準備や外出、予定の調整など、負担も変わります。
家族であっても、毎週会えることが当然とは限りません。子ども世帯の生活があるのと同じように、仕事や子育てを終えた親世代にも、それまで待っていた自分たちの時間があります。双方が無理なく続けられる頻度を探すことで、孫との時間そのものを楽しみやすくなることもあります。
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