「庭がある家がいい」タワマンと迷った末に選んだ一戸建て
「また水が残ってるね」
雨が上がった翌朝、35歳の麻衣さん(仮名)は庭を見て、夫の健太さん(37歳・仮名)に声をかけました。
夫婦は共働きで、世帯年収は約1,450万円。5歳の長男との3人暮らしです。以前は2LDKの賃貸マンションに住んでいましたが、子どもの成長を機に住宅購入を検討しました。
候補に挙がったのは、駅前のタワーマンションと、郊外にある築浅の一戸建てです。
タワマンは駅に近く、通勤にも便利。一方、同じ程度の購入予算で比べると、一戸建てのほうが居住面積に余裕がありました。
麻衣さんが特に気に入ったのが庭です。
「子どもを遊ばせられるし、夏はプールもできそう」
健太さんも、4LDKなら将来子ども部屋を確保でき、在宅勤務用の部屋も作れると考えました。
何度か内見し、最終的に一戸建てを購入。内見したのは春で、庭にも特に気になるところはありませんでした。
入居後、長男は庭でシャボン玉をしたり、小さなビニールプールを出したりして遊ぶようになりました。
「やっぱり庭付きにしてよかったね」
夏までは、夫婦ともそう話していたといいます。ところが、初めての秋を迎えたころから気になることが出てきました。
数日間、雨が続いたあとのことです。庭の一角に大きな水たまりができ、雨が上がった翌日になってもほとんど引いていません。
最初は「これだけ降ったから仕方ない」と考えていました。しかし、その後の雨でも同じ場所に水がたまります。長男が庭へ出れば靴が泥だらけになり、玄関まで泥を運んできます。
さらに、庭と駐車スペースの境目付近にも水が流れてくるようになりました。
「これ、毎年こうなるのかな」
麻衣さんが不安になり、健太さんは住宅を購入した際の資料を確認しました。
雨漏りや建物そのものに問題が出ているわけではありません。気になっていたのは、庭の排水でした。
国土交通省『令和5年住生活総合調査』によると、今後住み替える場合に重視する住宅の要素として、「日当たり」を挙げた世帯は40.3%、「広さや間取り」は44.8%でした。一方、「維持管理のしやすさ」も26.5%が挙げています。
健太さん夫婦も日当たりや間取り、庭の広さは確認していましたが、「まとまった雨が降った翌日、庭がどうなるのか」までは考えていなかったのです。
