父から届いた「1枚の写真」に唖然
“衝撃の事実”を知ったのは、一昨年。父が65歳で再雇用期間を終え、完全にリタイアした時のこと。「いつまでも実家に頼るな」というお達しとともに一人暮らしをしていた樹さんのもとに、珍しく父からLINEが届きました。
「新車を買ったぞ。久しぶりに帰省してドライブでも行かないか?」
明るい文章とともに添えられていたのは、700万円は下らない輸入車の前で、満面の笑みを浮かべる父の写真でした。
「最初は怖くなりました。そんな買い物する人じゃないから、どうしちゃったのかって。それで、実家に帰った時に聞いたんですよ。そしたら……」
父は笑顔でこう語ったのです。
世帯年収はピーク時で1,200万円を超えており、節約と運用の甲斐あって貯蓄・投資を合わせて約3,500万円あること。退職金も2,000万円満額支給され、住宅ローンも完済済みであること。そして夫婦の年金受給額も月26万円あり、超優良な資産状況だということ。
「いやぁ、頑張った甲斐があった。一生に一度でいいからこういう車に乗ってみたかったんだよ」
満足げな父に対して、大樹さんの中で親への感謝や愛情は完全に冷め切りました。
「お金がなかったわけじゃない。ただ『僕のために使うお金』が無かっただけだった。子どものころから僕が惨めな思いをしたこと、大学時代をバイト漬けで潰したこと、今も毎月奨学金を返済し続けていること。父にとってはすべて『どうでもいいこと』だったんです」
大樹さんは父に本音をぶつけましたが、父は「なぜそんなに怒るんだ」と理解できない様子。「子ども時代の我慢は“教育”」「大学費用を奨学金で賄う人なんて世間にはいくらでもいる」「貯金がなくて迷惑をかける親よりずっといいだろう」
どこまでも自分を正当化する父の姿に、大樹さんは絶望しました。
「安泰の老後を手に入れて満足なんでしょうね」
それ以来、大樹さんは実家からの連絡をすべてブロックし、着信拒否を続けています。
