月10万円の年金、貯金は180万円…「葬式代ぐらいは残しておきたい」
昌子さんの収入は、自身の老齢年金と夫の遺族年金を合わせて月10万円ほど。達也さんは、年金収入が想像以上に少ないことに驚きました。
団地の家賃は4万円。水道光熱費や通信費、食費、日用品費に突発的な支出もあり、年金だけでやりくりできない月も多かったといいます。
「お父さんが亡くなって、すごく貯金が減っちゃってね。なんだか怖くなったの。病気になったらお金がかかるかもしれないし、私の葬式代ぐらいは残しておきたいのに」
貯金額は180万円と、確かに余裕があるとはいえません。危機感を覚えた昌子さんは食事を1日2食に減らし、友人とのランチも断り、体操教室も「月謝がもったいない」とやめていたのです。
「どうして言ってくれなかったんだよ」
「だって、あなたにも家庭があるでしょう。迷惑をかけたくないのよ」
母は、自分が困らないためだけに節約していたのではありません。「子どもに迷惑をかけたくない」。その思いから、生活を少しずつ削っていたのです。
達也さんは言葉が出ませんでした。
