(※写真はイメージです/PIXTA)

離れて暮らす親の「私は大丈夫」という言葉。しかし、その影には、子どもに心配をかけたくない。社会にも迷惑をかけられない――そんな思いが隠されていることがあります。昨年の夏、79歳の母の暮らしぶりを目の当たりにした息子が言葉を失った、思いもよらない現実とは?

月10万円の年金、貯金は180万円…「葬式代ぐらいは残しておきたい」

昌子さんの収入は、自身の老齢年金と夫の遺族年金を合わせて月10万円ほど。達也さんは、年金収入が想像以上に少ないことに驚きました。

 

団地の家賃は4万円。水道光熱費や通信費、食費、日用品費に突発的な支出もあり、年金だけでやりくりできない月も多かったといいます。

 

「お父さんが亡くなって、すごく貯金が減っちゃってね。なんだか怖くなったの。病気になったらお金がかかるかもしれないし、私の葬式代ぐらいは残しておきたいのに」

 

貯金額は180万円と、確かに余裕があるとはいえません。危機感を覚えた昌子さんは食事を1日2食に減らし、友人とのランチも断り、体操教室も「月謝がもったいない」とやめていたのです。

 

「どうして言ってくれなかったんだよ」

 

「だって、あなたにも家庭があるでしょう。迷惑をかけたくないのよ」

 

母は、自分が困らないためだけに節約していたのではありません。「子どもに迷惑をかけたくない」。その思いから、生活を少しずつ削っていたのです。

 

達也さんは言葉が出ませんでした。

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