トランプ氏が再び「出生地主義」を制限へ…「出産ツーリズム」と日本人の子どもの国籍・税務はどうなる?

トランプ氏が再び「出生地主義」を制限へ…「出産ツーリズム」と日本人の子どもの国籍・税務はどうなる?
(※写真はイメージです/PIXTA)

米国では、出生した場所を基準に国籍を与える「出生地主義」をめぐり、トランプ政権と司法の対立が続いています。2026年8月6日、トランプ大統領は出生地主義を制限する新たな大統領令に署名しました。外国人が子どもへの米国市民権付与を目的に訪米する「出産ツーリズム」も規制対象となります。日本人が米国で出産した場合の子どもの国籍や、将来の米国での税務にも関わる問題です。

米国市民になると、海外に住んでいても米国の所得税が関係

出生地主義をめぐる問題は、国籍だけにとどまりません。

 

日本人にとって特に注意したいのが、米国の税制です。米国の所得税制度では、米国市民は、米国外に居住している場合でも、原則として全世界所得が米国の課税対象となります。

 

つまり、米国で出生して米国市民となった子どもが、その後、日本に住み続けたとしても、米国市民である限り、原則として米国の所得税申告制度から完全に離れることはできません。

 

例えば、日本で給与や事業所得を得た場合でも、米国側ではその所得を含めて申告が必要になる可能性があります。

 

もちろん、外国税額控除など、同じ所得に対する二重課税を調整する仕組みはあります。しかし、「米国に住んでいないから、米国の税務とは関係ない」とは限らない点には注意が必要です。

グリーンカード保有者も米国の税務に注意

米国には、国籍を取得せずに米国で長期的に居住できる「グリーンカード(永住権)」という制度もあります。

 

グリーンカードを持っている人は米国市民ではありません。

 

しかし、米国の税法上は原則として「resident alien(居住者外国人)」に該当し、米国市民と同様に、全世界所得が米国の課税対象となります。

 

つまり、「米国市民かどうか」と「米国の税務上の居住者かどうか」は、必ずしも同じ問題ではありません。

 

米国市民は、米国に居住していなくても原則として全世界所得について米国の税務申告が問題となります。一方、グリーンカード保有者も、税法上の居住者に該当すれば同様の扱いを受けることになります。

次ページ国籍だけでなく「将来の税務」まで考える必要がある

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