米国では、出生した場所を基準に国籍を与える「出生地主義」をめぐり、トランプ政権と司法の対立が続いています。2026年8月6日、トランプ大統領は出生地主義を制限する新たな大統領令に署名しました。外国人が子どもへの米国市民権付与を目的に訪米する「出産ツーリズム」も規制対象となります。日本人が米国で出産した場合の子どもの国籍や、将来の米国での税務にも関わる問題です。
日本人が米国で出産したら、子どもは日米の国籍を持つ?
では、日本人の夫婦が米国で子どもを出産した場合、その子どもはどうなるのでしょうか。
日本では、出生時に父または母が日本国民であれば、原則として日本国籍を取得します。
一方、米国では出生地主義が原則として採用されているため、米国で出生した子どもは米国市民となります。日本人の夫婦が米国で出産した場合、子どもが日米双方の国籍を持つことがあります。
ただし、日本は重国籍を無制限に認めているわけではありません。日本と外国の国籍を有する「重国籍者」については、国籍法第14条により、一定の期限までにいずれかの国籍を選択することが求められています。
18歳未満で重国籍となった人については20歳まで、18歳になった後に重国籍となった人については、重国籍となった時から2年以内が国籍選択の期限です。
これは、2022年4月1日の成年年齢引き下げに伴って変更されたものです。
なお、国籍選択の期限を過ぎたからといって、その時点で自動的に日本国籍を失うという仕組みではありません。国籍法には、法務大臣による催告などの手続きも定められています。
国際課税研究所首席研究員 博士(会計学)。
中央大学大学院商学研究科修士課程修了。昭和50年東京国税局に勤務、平成2年退職。産能短期大学助教授、日本大学商学部助教授、教授を経て平成14年中央大学商学部教授(平成30年退職)。税務大学校講師、専修大学商学研究科非常勤講師、慶應義塾大学法学研究科非常勤講師、新潟産業大学経済学部非常勤講師、武蔵大学経済学部非常勤講師を歴任。
著書に『国際課税と租税条約』(ぎょうせい、第1回租税資料館賞受賞)、『租税条約の論点』(中央経済社、第26回日本公認会計士協会学術賞)、『移転価格税制の理論』(中央経済社) 、『詳解日米租税条約』(中央経済社)など。
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