「景気予想屋」は限られたものを詳しく論じる
景気予想屋は、幅広い経済指標を眺めて景気の全体の流れを感じ取ろうとしますが、株価予想屋は限られた経済指標等を詳しく論じます。具体的には日米金融政策と米国雇用統計です。
たとえば生産統計なども景気を見る上では重要なのですが、投資家たちはあまり注目していません。それは、生産統計が発表されても株価が動かないからです。そうなると、一層多くの投資家が生産統計への興味を失い、生産統計の発表がますます株価に影響しなくなっていくのです。
一方で、日米の金融政策は株価に大きく影響するので、株価予想屋たちは金融政策について真剣に分析し、詳細に語ります。それを聞いた投資家たちが一層金融政策に注目するので、金融政策が動くと株価が一層大きく動くようになるわけです。
景気予想屋に言わせると、「金利が0.25%上がったから設備投資が減って景気が悪化する」などということはありえないので、金融政策はあまり注目する必要がないのですが。強いていえば、金融政策が動いて株価や為替が大きく動き、それが景気に影響するか否かは気にする必要があるでしょう。アベノミクスでの大胆な金融緩和が景気を浮揚させたわけですから。
「株価予想屋」は一喜一憂するのが仕事
景気予想屋は、「経済指標は振れるので、一喜一憂せずに広く見渡して景気の大きな流れを感じ取れ」と教育されますが、株価予想屋はそんなことをしていたら株価が動いてしまいますから、一喜一憂するのが仕事です。
景気予想屋から見ると、「雨が降り出すと洪水を心配し、雨が止むと水不足を心配するような連中」に見えますが、彼らから見ると我々は「堤防が決壊してから洪水を心配する連中」に見えるのかもしれませんね(笑)。
「景気予想屋」と「株価予想屋」は別の職業なので…
景気予想屋と株価予想屋は、別の職業なので、優劣や貴賎はありません。筆者は仕事中は株価予想屋を揶揄していますが、アフターファイブは趣味の株式投資(投機?)の参考に彼らの話をしっかり聞きます。
皆さんも、どちらの話を聞くのか、目的によって使い分けてください。ちなみに、外見で区別がつかない時は、金融政策の話が長いのが株価予想屋、短いのが景気予想屋だと考えて間違いないでしょう。
ちなみに、景気予想屋の話は結構当たります。景気が上を向いている時は「景気はこのまま良くなっていくでしょう」と言っていれば結構な確率で当たるからです。一方で、株価の予想は難しいです。世界中のプロの半分が値上がりを予想して買い注文を出し、残り半分が売り注文を出している時に予想しても、簡単に当たるものではありません。しかし、それは景気予想屋が株価予想屋より優秀だということではありませんので、あしからず。
今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。
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塚崎 公義
経済評論家
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