(※写真はイメージです/PIXTA)

家を「買う」か「借りる」か――。人生の大きな分岐点ともいえるこの選択に、頭を悩ませる人は少なくありません。以前ほど“マイホームを持って一人前”という価値観は強くなくなったとはいえ、周囲の友人や同僚が次々と家を購入していけば、焦りを感じることもあるでしょう。しかし、人生には“想定外”がつきものです。家を買ったことで、生活もままならぬほど追い詰められてしまうケースも。見ていきましょう。

家を欲しがっていた妻、苦渋の決断

「家、売りましょう」

 

そう切り出したのは、奈緒さんのほうでした。

 

「本気か?」

 

「うん。このままローンのために生活するのは違うと思う。家は欲しかった。でも、こんな風になるぐらいなら買うんじゃなかった……今はそう思ってる。子どものためにもならないよ」

 

せっかく購入したマイホーム。子どもたちとの思い出もあり、この先も家族で一緒に暮らしていく未来を思い描いていました。奈緒さんも、家を欲しがっていたからこそ、売却に迷いがなかったわけではありません。

 

「ここを手放したら、もう家を買えないかもしれないぞ」

 

「うん……それでもいい。家を持つことより、家族が笑顔で暮らせることのほうが大事だと思うの」

 

最終的には、子どもたちのことを考え、売却を決断。幸い購入後に周辺の不動産価格が上昇していたため、購入時より高い価格で売却。ローンを返済したあとも数百万円が手元に残りました。

 

「もうローンに追われる生活はしたくない」

 

一家は以前より少し駅から離れた賃貸住宅へ引っ越しました。以前のマンションほど設備が充実しているわけではなく、見劣りするのは事実です。それでも、敦さんは売却を後悔していません。

 

「賃貸だから、収入が減ったら家賃の安いところに移れる。家族の状況が変わったら、また引っ越せばいい。そう考えられるだけで、ずいぶん違いますよ」

 

奈緒さんも、「あのまま無理していたら、家族のほうが壊れていたかもしれない。今の方がずっと身軽です」と振り返ります。

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