「10日間お願いできる?」娘から届いた夏休みの相談
「今年の夏休みなんだけど、10日間くらい子どもたちをお願いできない?」
長女の美香さん(仮名・39歳)からそう連絡があったとき、恵子さん(仮名・67歳)はすぐに返事ができませんでした。
恵子さんは夫の俊夫さん(仮名・68歳)と二人暮らし。夫婦の年金は月約24万円、預貯金は約2,500万円あります。住宅ローンは完済しています。
美香さん夫婦は共働きで、小学5年生と2年生の子どもを育てています。自宅は車で40分ほどの距離です。
孫を夏休みに預かるようになったのは3年前でした。最初は2泊3日。翌年は5日間になりました。
「娘夫婦も仕事があるし、孫と長く過ごせるのも今だけだと思っていました」
ところが5日間でも、想像以上に大変でした。
朝食を作り、昼食を考え、夕食の買い物へ行く。午前中は宿題を見て、午後は公園や図書館、ショッピングモールへ連れて行きます。
孫たちが退屈すると、「今日はどこに行く?」と聞かれました。
俊夫さんが車を出し、水族館や映画館へ連れて行ったこともあります。入場料や外食代は、その都度夫婦が支払っていました。
前年の5日間では、食費や外出費だけで約6万円増えたといいます。それでも一番つらかったのは、お金より体力でした。
「夜になると足が重くて、夫も『明日は家で過ごそう』と言うんです。でも子どもたちは朝になれば元気でしょう」
孫が帰った翌日、恵子さんは腰痛でほとんど動けませんでした。その経験があるだけに、「今年は10日間」と聞いた瞬間、楽しみより先に不安が浮かんだのです。
こども家庭庁『令和7年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況』によると、2025年5月1日時点の登録児童数は157万人を超え、前年より増加しています。共働き世帯などを支える放課後児童クラブへの需要は大きい状況です。
また、総務省『2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年平均』によると、総合指数は前年比3.2%上昇しました。人数が増える夏休みの食事や外出では、以前と同じ過ごし方でも家計への負担が大きくなりやすくなっています。
