「朝ごはん何?」帰省のたびに繰り返されてきた光景
「孫に会えるのは楽しみなんです。でも、帰った後は毎回ぐったりしていました」
舞子さん(仮名・68歳)は、同い年の夫・正一さん(仮名・68歳)と暮らしています。
夫婦の年金収入は月約26万円、預貯金は約2,800万円。住宅ローンを完済した4LDKの一戸建てに住んでいます。
長男の直樹さん(仮名・39歳)は、妻と小学4年生、小学1年生の子どもの4人家族。新幹線で約2時間半の場所に暮らしており、夏休みと年末年始には一家で帰省するのが恒例になっています。
帰省はたいてい3泊か4泊です。
以前の舞子さんは、数週間前から献立を考えていました。
孫が好きなハンバーグや唐揚げを作り、ジュースやお菓子を買い込みます。4人分の布団を干し、シーツを交換。滞在中は6人分の朝食と夕食を用意します。
直樹さん一家も手土産は持ってきます。ただ、実家に着いてからの食事や洗濯は、ほとんど恵子さん夫婦に任せていました。
朝になると、直樹さんが「今日、朝ごはん何?」。昼近くには「夜は何食べる?」。孫が服を汚せば、息子の妻から「お義母さん、これも一緒に洗ってもらっていいですか?」と渡されます。
ある年の夏、舞子さんが6人分の夕食を片づけている横で、直樹さん夫婦はリビングで翌日の予定を相談していました。
「明日は子どもたち、おじいちゃんたちと留守番できるよね。俺たちちょっと出かけようか」
悪気がある様子はありません。舞子さんはそのときも「いいよ」と答えました。
しかし翌日は朝食を作り、孫2人を見ながら昼食を用意。夕方に帰ってきた息子夫婦から「夜どうする?」と聞かれた瞬間、思わず夫と顔を見合わせました。
直樹さん一家が帰った翌日、舞子さんは正一さんに漏らしました。
「実家って、無料のホテルじゃないんだけどね」
