制服への着替えは「打刻前」…月収28万円・29歳女性が抱えるモヤモヤ。「着替えも仕事では?」と上司に尋ねた結果【社労士が解説】

制服への着替えは「打刻前」…月収28万円・29歳女性が抱えるモヤモヤ。「着替えも仕事では?」と上司に尋ねた結果【社労士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの社会人は、日々会社のルールに従って業務をこなしています。しかし、ふとした瞬間に「これって実質的にタダ働きなのでは?」と疑問を抱く瞬間はないでしょうか。本記事では、そのなかから「制服への着替え時間」に焦点を当て、29歳女性の事例をもとに、社会保険労務士(社労士)の視点から法的な見解と対処法を解説します。

泣き寝入りしないために…「未払い賃金」を取り戻す4ステップ

では、ユイさんのように「着替え時間が労働時間としてカウントされていない(未払い残業代が発生している)」場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか。労働者として取れる対処法は下記のとおりです。

 

1.証拠を集める

まずは「着替えにかかっている時間」と「その時間が労働時間として扱われていないこと」を証明する証拠を集めましょう。

 

入退館記録やPCのログ:会社の入り口のセキュリティゲートを通った時間と、勤怠管理システムの打刻時間の“ズレ”が有力な証拠になります。

 

個人的な記録:「〇時〇分会社到着・更衣室へ」「〇時〇分着替え完了・タイムカード打刻」といった日々の記録を、手帳やスマートフォンのメモ、GPS記録アプリなどで毎日正確に残しておきましょう。

 

就業規則のコピー:「通勤時の制服着用禁止」などのルールが書かれた部分を写真やコピーなどで残しておきます。

 

2.社内の相談窓口や労働組合に相談する

証拠が揃ったら、まずは社内の人事部やコンプライアンス窓口、あるいは労働組合に相談してみましょう。

 

「最高裁の判例に照らし合わせると、当社の着替え時間は労働時間にあたるはずですが、改善の予定はありますか?」と、法的な根拠を示して冷静に交渉します。コンプライアンス意識の高い会社であれば、この段階で勤怠管理システムの打刻ルールが見直される(着替え前に打刻するルールに変わる)可能性があります。

 

3.労働基準監督署に申告する

社内で相談しても「うちのルールはこれだから」と突っぱねられたり、不利益な扱いを受けそうになったりした場合は、管轄の労働基準監督署(労基署)に相談・申告しましょう。

 

労基署は、集めた証拠をもとに労働基準法違反(賃金未払い)の疑いがあると判断すれば、会社に対して調査に入り、是正勧告を行ってくれます。行政からの指導が入ることで、会社も態度を改めざるを得なくなります。

 

4.未払い残業代の請求

過去にさかのぼって、支払われなかった着替え時間分の給料(残業代)を請求することも可能です。

 

現在、未払い賃金(残業代)を請求できる権利の消滅時効は「3年」となっています。今回の事例では年間約10万円の未払いがある計算のため、3年分遡れば約30万円の請求権があることになります。

 

もし会社が支払いに応じない場合は、労働問題に強い弁護士や社会保険労務士(特定社労士)、労働審判などの法的手段を検討しましょう。

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