「終わった」のではなく、「無事に卒業した」
「娘にそう言われて、私も本格的に『孫離れ』しなきゃいけないんだと実感しました。寂しいですけど、壮太が元気に成長した証拠ですから」
そして、こう続けます。
「もしあのまま預かる生活が続いていたら、私たち夫婦の貯金はもっと減っていたでしょうね」
細かく家計簿を付けていたわけではありません。それでも、壮太くんが生まれてから小学2年生になるまでの約8年間で、孫のために使ったお金は400万~500万円ほどになると振り返ります。
そのまま祖父母が子育てを支える生活が続いていたら、中学受験、高校、大学と教育費や生活費の援助まで広がり、老後資金をさらに切り崩していた可能性もあります。
「娘夫婦の子どもは壮太一人でしたが、きょうだいがいたら、同じように支えられていたかどうか……今振り返ると、少し考えてしまいます。でも、あの8年間でしか味わえなかった時間を過ごせました」
今では、壮太くんは中学生。部活動や友達との時間に忙しく、祖父母の家へ来るのはGWやお盆、お正月などが中心になりました。
孫育ては、永遠に続くものではありません。子どもが成長すれば、祖父母の役割も少しずつ変わっていきます。それは「必要とされなくなった」のではなく、「役目を果たした」ということ。その先の夫婦の時間や自分自身の人生に目を向けることが、穏やかな老後につながるのではないでしょうか。
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