(※写真はイメージです/PIXTA)

「お母さん、本当にありがとう。でも、これからは自分の時間を楽しんで!」――娘の晴れやかな笑顔と感謝の言葉。それは、73歳の祖母にとって、うれしさと寂しさが入り混じる「孫育て卒業」の瞬間でした。かわいい孫のために惜しみなく時間とお金を注いできた日々。しかし、その役割を終えたことは、思いがけず老後資金を守る転機にもなったのです。孫離れを迎えた祖母の胸中と、お金との向き合い方を見ていきましょう。

「本当にありがとう。でも、もう大丈夫」

そんな生活に大きな変化が訪れたのは、新型コロナウイルスの感染拡大です。親への感染を心配した娘夫婦は、「しばらく壮太を預けるのはやめよう」と決断しました。

 

壮太くんは当時小学2年生。娘夫婦は在宅勤務も増え、自宅で子どもを見る時間を確保できるようになったことも理由の一つでした。毎日のように聞こえていた「ただいま」という声がなくなり、家の中は急に静かになりました。

 

「最初は『感染が落ち着いたら、また元通りになる』と思っていたんです」

 

しかし、その「落ち着くまで」は想像以上に長く続きました。ようやく日常が戻った頃には、壮太くんは成長していました。

 

小学校高学年になると、放課後は友達と遊び、習い事や塾に通う日々。娘夫婦も働き方を見直し、自宅で子育てをしやすい生活リズムを築いていました。以前のように、毎日のように祖父母の家へ立ち寄る生活は戻らなかったのです。

 

「前みたいに頼っていいのよ」

 

照子さんは、そう言いましたが、娘の返答はこうでした。

 

「お母さん、本当にありがとう。でも、もう大丈夫だから! 壮太も大きくなったし、私たち夫婦も色々工夫しているから。これからは、自分の時間とお父さんと二人の老後を楽しんでね!」

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