(※写真はイメージです/PIXTA)

「お母さん、本当にありがとう。でも、これからは自分の時間を楽しんで!」――娘の晴れやかな笑顔と感謝の言葉。それは、73歳の祖母にとって、うれしさと寂しさが入り混じる「孫育て卒業」の瞬間でした。かわいい孫のために惜しみなく時間とお金を注いできた日々。しかし、その役割を終えたことは、思いがけず老後資金を守る転機にもなったのです。孫離れを迎えた祖母の胸中と、お金との向き合い方を見ていきましょう。

共働きの娘夫婦のサポートで「孫育て」に邁進

佐藤照子さん(仮名・73歳)は、同い年の夫と2人暮らし。夫婦の収入は年金合わせて月21万円ほど。預貯金は現在約1,600万円あります。

 

一人娘が長男・壮太くん(仮名)を出産したのは、照子さんが59歳の頃。娘夫婦は共働きを続けることを希望しており、照子さんは自然な流れで「孫育て」に関わるようになりました。

 

国立社会保障・人口問題研究所の「第15回 出生動向基本調査」によると、第1子が3歳になるまでに祖父母から子育ての手助けを受けた夫婦は、2010年以降では約52.9%にのぼります。共働き家庭にとって、祖父母の支援は身近な存在となっています。

 

最初は保育園のお迎えだけでしたが、役割が徐々に増えていきます。熱を出したときの看病に、保育園帰りの夕食、休日の公園遊び。壮太くんのための布団や着替え、おもちゃが、いつの間にか照子さんの家に揃っていきました。

 

「娘が迎えに来るまで、私と夫と壮太で夕飯を食べるのが日常でした。『ママとパパが帰ってくるまで待とうね』って」

 

孫との幸せな時間。しかし、同時に支出も増えていきました。食費や日用品はもちろん、誕生日プレゼント、洋服、家族旅行、習い事の費用など。

 

「普段でも月3~4万円、イベントが重なる月は10万円以上出すこともありました。年間では優に50万円を超えていたと思います。年金暮らしに入っても、それは続いていました」

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