日本では奨学金は原則として非課税
では、日本の制度はどうでしょうか。
日本では、所得税法第9条により、学資に充てるために受け取る金品については非課税とされています。そのため、公益法人や自治体などから給付される奨学金については、基本的に所得税の対象とはなりません。
また、米国のように「何に使ったか」によって課税・非課税が変わる仕組みではありません。授業料に充てても、生活費として利用しても、税務上は同じ扱いになります。これは、学生にとって利用しやすく、教育機会を広げるという意味では大きなメリットがあります。
一方で、奨学金という限られた社会資源をどのように活用するべきかという観点からは、制度のあり方について議論の余地もあります。
奨学金は「給付」ではなく未来への投資
奨学金制度の目的は、単に学生へお金を渡すことではありません。
経済的な理由で才能ある人材の可能性が閉ざされることを防ぎ、将来社会を支える人材を育成することにあります。米国では、奨学金を教育目的の資金として位置付け、その利用目的によって税務上の扱いを明確にしています。
一方、日本では学生支援の観点から、より柔軟な制度となっています。どちらの制度が正しいということではありません。しかし、少子化が進み、人材育成の重要性が高まる日本において、奨学金を「誰に、どのような目的で届けるのか」という議論は、今後ますます重要になるでしょう。
海外留学を検討する家庭では、単に奨学金の金額だけを見るのではなく、その税務上の扱いや制度の背景まで理解しておくことが求められます。
奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表
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