海外留学する子どもの奨学金は課税される?「奨学金=非課税」ではない米国…日本との違いから見える“教育支援”の考え方【国際税務の専門家が解説】

海外留学する子どもの奨学金は課税される?「奨学金=非課税」ではない米国…日本との違いから見える“教育支援”の考え方【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

海外大学への進学を考える家庭にとって、学費負担は大きな問題です。そのなかで奨学金は、優秀な学生が学ぶ機会を得るための重要な制度となっています。しかし、奨学金に対する税金の扱いは、日本と米国で大きく異なります。『トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か——税制が映し出すアメリカの真実』の著書がある奥村眞吾税理士が、日米の制度の違いから、教育支援とは本来どのようなものなのかを考察します。

米国では奨学金の「使い道」で課税・非課税が決まる

米国では、大学進学を控える家庭にとって、奨学金の税務上の扱いは重要な関心事です。

 

特に富裕層の場合、子どもが受け取る奨学金が非課税になるのか、それとも課税対象になるのかによって、家庭全体の税負担にも影響します。

 

米国の内国歳入庁(IRS)のルールでは、奨学金を受け取ったからといって、その全額が自動的に非課税になるわけではありません。

 

ポイントとなるのは、「そのお金を何に使ったか」です。教育を受けるために直接必要な費用に充てられた場合には、非課税として扱われます。

 

具体的には、

・授業料(Tuition)
・大学が指定する必要な諸費用
・授業で使用する教科書
・教材費
・実験に必要な器具や材料費

などです。これらは、学生が教育を受けるために必要不可欠な支出と考えられています。

 

寮費・食費・パソコン代は課税対象になる場合も

一方で、米国では生活に関連する支出については厳格に区別されています。

 

例えば、

・寮費や家賃
・食費(Room & Board)
・通学費
・パソコン購入費

などは、原則として課税対象となります。

 

日本の感覚では、「大学生活に必要な費用なのだから教育費ではないか」と考える人も少なくありません。しかし、米国の税制では、教育そのものに直接必要な費用と、学生生活を維持するための費用を明確に分けています。

 

つまり、奨学金とは「学生生活全般を支援するお金」ではなく、「教育を受けるための費用を補助するもの」という考え方が強いのです。

Teaching AssistantやResearch Assistantは給与所得になる

さらに注意が必要なのは、奨学金という名称で支給されていても、実質的には給与として扱われるケースがあることです。

 

例えば、大学院生などが、

・Teaching Assistant(TA)として授業補助を行う
・Research Assistant(RA)として研究活動を行う

ことを条件として受け取る金銭は、単なる奨学金ではなく、労務の対価として給与所得になる場合があります。

 

米国では、「奨学金という名前かどうか」ではなく、その支給の目的や実態によって税務上の扱いを判断しています。

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